研究課題/領域番号 |
26461797
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮坂 光俊 九州大学, 大学病院, 助教 (10457434)
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研究分担者 |
西牟田 雄祐 九州大学, 大学病院, その他 (10635220)
浅山 良樹 九州大学, 大学病院, 講師 (40380414)
川波 哲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50330999)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 助教 (90419565)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大腸癌 / CTコロノグラフィー / 仮想注腸画像 / 側面変形 |
研究実績の概要 |
大腸癌および大腸ポリープのうち、粘膜内病変における仮想注腸画像での側面変形は幾何学的要因によるものと理論上は考えられる。今回われわれはCT コロノグラフィーが施行された大腸癌および大腸ポリープのうち、内視鏡治療あるいは外科手術が行われ、病理組織学的に粘膜内病変と診断された病変を対象として、幾何学的要因による仮想注腸画像での側面変形の程度が、仮想注腸画像の側面像に直交するCT画像であるMultiplannar reformation画像(以下、cross-sectional MPR画像)を用いて予測可能であるかについて検討を行った。 画像解析としてまず、対象病変の仮想注腸画像での側面変形の高さを計測した。次に、病変部のcross-sectional MPR画像を用いてピタゴラスの定理を利用して幾何学的要因による側面変形の予測値を計測した。最後に両者の測定値を比較検討した。結果として、 仮想注腸画像での側面変形の実測値とcross-sectional MPR画像を用いた側面変形の予測値には有意差がみられた (それぞれ0.64 ± 0.52 mm and 0.51 ± 0.73 mm; P < 0.05)が、両者の測定値には強い相関関係がみられた(R2 = 0.91, P < 0.0001)。結論として、大腸癌および大腸ポリープにおける仮想注腸画像での幾何学的要因による側面変形の程度はcross-sectional MPR画像を用いてある程度の予測が可能であると考えられた。 従って、大腸癌の深達度診断において仮想注腸画像での側面変形の実測値とcross-sectional MPR画像を用いた幾何学的要因による側面変形の予測値を合わせて評価することで腫瘍浸潤要因による側面変形をより正確に評価できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象となった大腸癌症例のうち、早期大腸癌を占める割合が当初の予定よりやや少なく、データの解析を行うには不十分な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記の結果を踏まえて、さらなる症例の蓄積およびデータ収集を行い、腫瘍浸潤要因による側面変形の定量的評価による大腸癌の深達度診断の精度について詳細に検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
幾何学的要因による側面変形はある程度の定量的予測が可能であることが分かったが、大腸癌の深達度診断に応用できるかについては、今後の症例の蓄積が待たれるところである。国際学会での発表および論文作成に関しては、深達度診断における有用性が十分に示されていないため現時点では困難な状況である。
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次年度使用額の使用計画 |
今後も引き続いて症例の蓄積およびデータ収集を行い、より効率的にデータの解析を行える研究環境を整え、深達度診断に関して有用なデータ結果が得られ次第、積極的に国際学会発表を行い、論文を作成する。
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