研究課題/領域番号 |
26461798
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂本 一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (00225806)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脈波伝播速度 / CT |
研究実績の概要 |
透析患者,糖尿病患者,大動脈瘤患者,閉塞性動脈硬化症患者などの約20名の患者対して脈波伝播速度(PWV)の測定を行った。また、これらの患者に対して1管型あるいは2管型CTを用いて撮影を行い、大動脈壁厚、大動脈弓部~胸部下行大動脈~腹部大動脈~腸骨動脈の石灰化の有無および石灰化の程度の評価を行った。石灰化の程度は、アガストンスコアを用いて定量化した。大動脈弓部~胸部下行大動脈~腹部大動脈~腸骨動脈の全体の石灰化の程度が強い症例ほど脈波伝播速度(PWV)が早くなる傾向が見られているが、現時点では、症例数が少なく統計学的検討は行っていない。また、石灰化の強い部位を、胸部大動脈、腹部大動脈、腸骨動脈に分けて検討すると、石灰化が腸骨動脈に強いほど脈波伝播速度(PWV)が早くなる傾向が見られているが、これに関しても今後、症例数を増やし、統計学的検討を行う予定である。今後はさらに症例数を増やし、脈波伝播速度(PWV)が大動脈~腸骨動脈の石灰化の程度、狭窄の有無およびその程度、動脈瘤の有無およびそのサイズなどの影響を受けるかを統計学的に検討する予定である。また、当初はシネMRIの収縮期および拡張期の画像から大動脈の弾性を計測し、これらの値が脈波伝播速度(PWV)に及ぼす影響についても検討する予定であったが、一連の臨床検査の中でMRIが行われる症例が少なかった。現在は代わりに冠動脈CTが行われた症例を用いて、収縮期および拡張期の画像から大動脈の弾性を計測し、これらの値が脈波伝播速度(PWV)に及ぼす影響について検討しているが、現時点では、明らかな関連は認められていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は臨床例を用いた研究であり、当初の予定よりも当該患者数を集めることができなかった。引き続き研究を行い、患者数を蓄積するとともに、今後は、対象患者を増やすために関連病院などにも協力を要請する予定である。また、当初はCTデータから血管モデルを作成し、それを利用して血管ファントムを構築する予定であったが、血管モデルの材質の選択に難渋している。引き続き、血管モデルの材質の検討を行い、理想的な血管ファントムを構築を試みる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は臨床例を用いた研究であり、当初の予定よりも当該患者数が集めることができなかった。引き続き研究を行い、患者数を増やすとともに、今後は、統計学的検討を行う予定である。また、対象患者を増やすために関連病院などにも協力を要請する予定である。当初はCTデータから血管モデルを作成し、それを利用して血管ファントムを構築する予定であったが、血管モデルの材質の選択に難渋している。引き続き、血管モデルの材質の検討を行い、理想的な血管ファントムを構築を試みる予定である。また、当初はシネMRIの画像から大動脈の弾性を計測し、これらの値が脈波伝播速度に及ぼす影響について検討する予定であったが、MRIが行われる症例が少なかったため、現在は代わりに冠動脈CTが行われた症例を用いて、大動脈の弾性を計測し、これらの値が脈波伝播速度に及ぼす影響について検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初はCTデータから血管モデルを作成し、それを利用して血管ファントムを構築する予定であったが、血管モデルの材質の選択や血流動態ファントム作成のためのポンプ選択に難渋している。引き続き、血管モデルの材質や適切な血流動態ファントム用ポンプの検討を行い、理想的な血流動態ファントムの構築を試みる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
理想的な血流動態ファントムの構築のために、血管モデル作成のための材料や血流動態ファントム用ポンプなどに使用する予定である。また、研究発表のための旅費や論文作成経費にも使用する予定である。
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