研究課題/領域番号 |
26461800
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西村 振一郎 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (50710448)
|
研究分担者 |
平井 俊範 宮崎大学, 医学部, 教授 (40274724)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | MRI / arterial spin labeling / 血管造影 |
研究実績の概要 |
動脈スピンラベリング(arterial spin labeling:ASL)を用いた経時的MR血管撮影(MR angiography: MRA)は最近注目されているMRIの技術で、造影剤を使用せずにdigital subtraction angiography(DSA)のような高い時間分解能で脳血管を描出可能である。この手法の中で時系列カラー表示ASL-MRAは最先端の技術である。本研究の連携研究者が開発した時系列カラー表示ASL-MRAをさまざまな脳疾患(脳動静脈奇形、動脈閉塞性疾患)に対して応用し、その有用性を検討した。ASL-MRAは得られたデータから、MIP像や時系列カラーマップを作成し、前後像、側面像、軸位像を再構成した。これらの画像を高精細のモニター上で放射線科医2名が独立して読影評価した。脳動静脈奇形の評価項目は流入動脈、ナイダス、流出静脈で、経カテーテル血管造影を本研究のゴールド スタンダードとした。読影者間およびモダリティー間の評価の一致率においてはκ検定にて統計解析した。結果は、流入動脈、ナイダス、流出静脈は読影者間およびモダリティー間ともに高い一致率が得られた。また、内頸動脈閉塞性病変の側副血行路においては、評価項目は前交通動脈、後交通動脈を介した血流で、経カテーテル血管造影を本研究のゴールド スタンダードとした。本研究においても読影者間およびモダリティー間の評価の一致率においてはκ検定にて統計解析した。結果は、読影者間の一致率は完全であった。一方、モダリティー間の一致率は13例中10例(77%)であった。これらの得られた結果を英文誌に投稿し、両者とも採択された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究成果が英文誌にいくつか採択されたため。
|
今後の研究の推進方策 |
研究成果をさらに検討し、英文誌に投稿する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品の購入が計画より少なく、国内外の発表が計画時より少なくなったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究データの解析、国内外での研究発表や論文作成費に使用予定。
|