研究課題
本研究では,Mcps領域でX線フォトンをカウントしてエネルギー弁別可能なLSO-MPPC,YAP(Ce)-MPPC,LSO-PMT,YAP(Ce)-PMTなどのX線検出器に関する基礎研究を行い,カウントレートの増加とエネルギー分解能の向上をはかった。次いで,2つのエネルギー範囲を決定できるデュアルエネルギー(DE)フォトンカウンターを作製した。このカウンターは高速コンパレーター(COM),マイクロコンピューター(MC),周波数・電圧変換器(FVC)などからなり,COMを用いてスレッショルドエネルギーを設定し,MCを用いて選択されたエネルギー範囲のフォトンをカウントした。MCから発生する論理パルスはFVCで電圧に変換され,アナログ・デジタルコンバーター(ADC)を介してパソコンに入力され,断層像が再構成された。このDEカウンターを第1世代CTスキャナーに組み込み,ヨウ素(I)とガドリニウム(Gd)の造影剤が入ったファントムを撮影した。IとGdのKエッジエネルギーはそれぞれ33.2と50.2keVであることから,Kエッジよりもわずかに高いエネルギーのフォトンを選択することにより,KエッジCT撮影が行われた。クアッドエネルギー(QE)カウンターは4対のCO,MC,FVCからなり,4つのエネルギー範囲を選択でき,このカウンターを用いてQE-CT撮影を行なった。撮影で用いたエネルギー範囲は20-33,33-50,50-65,65-100keVで,IとGdの造影剤を使ったKエッジ撮影が同時に行われた。XCounter製の高速CdTeアレーを借用し,デュアルエネルギーCTに関する基礎実験を行った。アレーの空間分解能とフレーム速度はそれぞれ100μmと4kfpsゆえ,被写体の高速撮影には有用であった。また,I-KエッジCTにより,I原子を高コントラストで描出できた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (15件)
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