研究課題/領域番号 |
26461811
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研究機関 | 秋田県立脳血管研究センター(研究局) |
研究代表者 |
山口 博司 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 特命研究部1, 研究員 (00450841)
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研究分担者 |
岡田 真希 独立行政法人放射線医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (00415407)
龍福 雅恵 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 研究員 (90601518) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | PET / てんかん / グルタミン酸 / 放射性医薬品 |
研究実績の概要 |
本研究は、てんかん発症部位および重症度判別に用いるグルタミン酸PETイメージング剤の開発が目的である。グルタミン酸トランスポーターのグルタミン酸取込み阻害作用を有する薬剤の一つにタモキシフェンがある。タモキシフェンはグルタミン酸取込み阻害作用を有するものの、エストロゲン受容体の部分作動薬でもあり、この受容体を介してステロイド作用を引き起こす事が報告されている。 申請者らは研究期間内に、先行研究方法におけるタモキシフェン類縁骨格(YAK-037)の前駆体をベンゾフェノン誘導体と対称型ケトンの還元的カップリング反応により合成した。解析にあたっては、核磁気共鳴装置(NMR)など、分光光学機器を用いて構造決定した。計画上、この前駆体に対するN-メチル化反応によって、先行研究における[11C]標識YAK-037となる。 サイクロトロンによって製造した放射性ガスを原料として用いて前駆体に対する標識反応を検討した。方法としては、[11C]ヨウ化メチルもしくは[11C]メチルトリフレートを用いた方法について検討した。標識に用いる[11C]ヨウ化メチルおよびの生成法および、[11C]メチルトリフレートへの変換法、次いでこれらの放射性炭素源を用いた反応溶媒、反応時間、精製条件の確立について検討を進めた。しかしながら現時点、十分な[11C]標識YAK-037を得られていない。本化合物は非常に嵩高く、立体障害によって標識反応が進まないものと考えられ、さらなる標識条件の検討を必要としている。 別途、施設内において、分担研究者とともに実験用(てんかん)モデル動物の作製について検討予定であったが、当該担当予定の分担研究者が科研費分担者を担うことのできない他施設への転出により遅れが生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた原料(前駆体)の合成はできたが、標識検討において至適標識条件を見出すまでに至っていない。検討中の化合物は非常に嵩高く、立体障害によって標識反応が進まないものと考えられる。 施設内において、分担研究者とともに実験用(てんかん)モデル動物の作製について検討予定であったが、当該担当予定の分担研究者が科研費分担者を担うことのできない他施設への転出により遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
標識条件については、引き続き[11C]炭素標識方法を探索、検討するが、一方で[18F]フッ素標識方法を検討する。当該年度に前駆体合成法を確立できているため、類縁骨格化合物(前駆体)の合成法を確立できている。なお、フッ素化反応について、代表研究者は臨床および研究で各手法を修得できている。 実験用(てんかん)モデル動物の作製については、別の分担研究者が作製方法を確立できており、問題はないものと考えている。代表研究者の所属機関でもモデル動物は必要であることから、分担研究者よりモデル動物作製方法について指導を受けながら研究を遂行可能な予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表研究者と同じ機関(秋田脳研)に所属する分担者(動物実験担当)の転出によって実験モデル動物作製費用、それに用いる薬品類の支出が抑えられた事が原因である。
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次年度使用額の使用計画 |
別の分担研究者が所属する機関(放射線医学総合研究所)で、モデル動物作製方法を修得し、初年度に実施できなかったモデル動物の作製と動物実験を実施する予定である。
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