研究課題
30例の拡散テンソルデータ、安静時脳機能MRIデータを元にマルチバンド撮影法と従来のパラレルイメージングの比較については、従来のFACT法に加えて、交差線維の描出低下に対応するためprobabilistic tractography及びconstrained spherical deconvolution(CSD)の導入を試みたが、年度内には解析ソフトウェア稼働の為のPCプラットフォームや環境設定など、解析手法の確立が困難であった。その代替として、DSI studio (http://dsi-studio.labsolver.org) の導入を行い、交差線維の描出に有用な他の計算アルゴリズムが利用可能となった。拡散強調画像や安静時fMRIにおけるマルチバンド法の有用性自体は商用ベースでも確立されつつあるため、前年度に撮影を開始したNODDIの撮影方法を用いた正常ボランティアおよび神経変性疾患、てんかん患者のデータを利用してDSI studioでの線維束描出を開始した。NODDI についても神経細胞密度(neurite density)や軸索走行の収束度(orientation dispersion)の分布と線維束描出を関連づけて解析を進めている。一方、分担研究者らはNODDIの解析を用いた別の検討として、正常ボランティアのMRI撮影から得られた高精度拡散強調画像、解剖学的画像の公開データベース(HCP: human connectome project http://www.humanconnectomeproject.org)を用いてNODDIのパラメータ及びMR緩和値を用いたヒト脳皮質の機能的分類についても検討を開始した。過去の組織学的な分類と比較してMRIを用いた機能分類が良好に一致している可能性が示唆され、投稿準備中である。
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