研究課題
本研究は手関節の3テスラ高解像度MRIを関節リウマチ(RA)症例に適用し,骨病変の評価における超音波検査,CTとの比較を行うこと,臨床症例について前向き研究を行い,骨病変と関節軟骨の変化との関連を解明することを目的としている。今年度は以下の事項について検討を行った。1) 健常ボランティアにおける手関節の高解像度MR撮像を行い,撮像条件を決定した。MRIは現存の3TMR装置(シーメンス社製)を使用し,高解像度画像を得るための撮像コイルは本研究費で購入した手関節専用撮像コイルを使用した。撮像範囲は手根関節から近位指節間関節までをカバーできる範囲とした。DESS法により骨構造および関節軟骨の画像解析のための3Dデータを得た。滑膜炎の評価については造影MRIを行い,dynamic studyによる滑膜炎の活動性評価を行いこととした。2)臨床例については生物学的製剤導入予定で本研究参加の同意が得られたRA患者をエントリーし,MRIを行った1週間以内に手関節のX線撮影,CT, 超音波検査を行った。現時点では6例の患者をエントリーしており,今後はさらに症例数を増やすとともに,6ヶ月毎にMRI,X線撮影,USによる経過観察を行う予定である。
3: やや遅れている
撮像コイルの調達が遅れたこと,正常ボランティアにおける撮像条件の設定に手間取ったこと,倫理審査の通過が遅れたために臨床例数が予想より少なかったため。
研究のスタートがやや遅れているが,MRI,CT, 超音波検査の3つのセットを組み合わせて手関節の高解像度画像による骨軟骨評価を行う方法を確立することができたので,さらに症例を増やすとともに,6ヶ月毎の経過観察を行っていく予定である。
1)MRI撮像に使用するコイルが予定よりも安価であった。2)症例の蓄積がなく,画像保存のためのサーバ,画像解析ソフトが必要でなかった。3)自身での学会発表がなく,旅費が発生しなかった。
下記の4項目について使用する。1)画像解析および統計解析のための新たなソフトウェア購入,2)画像サーバ購入,3)国際学会への出席と発表を行うための旅費,4)論文作成のための諸経費
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
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