研究課題/領域番号 |
26461830
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
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研究分担者 |
平井 俊範 宮崎大学, 医学部, 教授 (40274724)
橋本 衛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20452881)
池田 学 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60284395)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 位相画像 / MRI / AD / アミロイドβ / 認知症 |
研究実績の概要 |
当該年度が始まってすぐに、熊本地震が発生し、予定していた多施設による臨床研究を行うことができなかった。しかしながら、それまでに行ってきた2D-GRE法による初期臨床検討がかろうじて終了していたため、これを学会発表、論文発表を行った。論文は現在投稿ちゅであり、査読結果待ちである。 さらに、年度途中9月から、予定していた海外施設(タイ・Siriraj病院)との共同研究を再開した。これは、AD・MCI患者のアミロイドPET, RIを撮像して、本研究で開発した技術を用いてmulti-echo 3D-GRE法で撮像し、取得した位相画像データをもとに再構成されたPADRE画像との相関を観察する研究である。現在のところ、40例ほどが収集されている。当初の予定では80から100例を予定していたため、半数に至ったところで年度末を迎えた。しかしながら、この例数の時点でmulti-echoで取得した場合の再構成パラメタは、予想されるTE依存性が再現されたことから、本研究で得られた知見は、ほぼ正しいことが証明された。 最終年度で検討が終了できなかったため、1年の延長を行い、上記検討を進めている。また、オーストラリアとも研究を再開した。国内では、新たに緊急の多施設共同研究を行い、汎用性の高い3D-multi-echo法で得られた画像から、臨床スコアともっとも相関の高い再構成パラメタの検討を行うこととしている。すでに、6施設が参加することが決まっており、これらの施設からのデータを合わせて100例のデータを一年以内に収集し、臨床用の撮像パラメタを決定する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
熊本地震のために、当初予定していた外部機関との臨床検討が行えなくなり、地震からの回復のために要した半年程度の遅れが生じている。しかしながら、一年間の延長申請を行い、次年度での論文投稿を含めた終了を見込んでいる状態であるため、やや遅れている状態と考えている
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今後の研究の推進方策 |
タイ王国Siriraj病院との共同研究を続け、PET, RIデータとPADRE再構成データの送還を検討を行う。しかしながら、この研究は一施設に特化した再構成パラメタを使用しているため、臨床応用を目指すために、汎用性の高い再構成パラメタの決定が必要である。特に加齢鉄とアミロイド内部の鉄を区分するための閾値は、これ魔の検討によりTEによって変化することが予想されるため、国内で多施設共同研究を進め施設間のばらつきを含む場合でも、最大限臨床評価との相関が最も高くなる再構成パラメタ(閾値)の決定を行う予定である。得られた結果を、素早くまとめ、次年度内に論文化を目指す。 さらに、共同研究先を絞り、加齢に特化した研究を行うことも視野に入れる。アルツハイマー型認知症だけでなく、将来的に、あらゆる認知症を対象にした研究へと発展させるために、こういった共同研究を常に視野に入れて行動する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度内に予算を消化し、終了予定であったが、熊本地震のために研究が進まず、予定通りの研究が行えなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度内に執行する予定であった共同研究や、研究遂行の結果集まった研究データの解析と、その結果を学会発表として発表する旅費・参加費や、結果の論文投稿などに使用する予定である。
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