研究課題/領域番号 |
26461834
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田岡 俊昭 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30305734)
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研究分担者 |
吉川 公彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10161506)
安野 史彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60373388)
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
和田 敬 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (90597098)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 拡散画像 / 拡散尖度画像 / 認知症 / アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
計画されたとおり、認知症の疑われる症例と正常コントロールを対象として、撮像を進めている。院内倫理委員会の承認を得て、平成26年度の段階では20症例の撮像を行うことができた。 撮像前の説明は先行研究と同様に院内倫理委員会の規定に基づいて行い、特に認知症疑いの症例では、インフォームドコンセントは家族も含めた形で綿密に行っている。 各症例でMMSE (Mini mental state examination)、ADAS (Alzheimer's Disease Assessment Scale)、CDT (Clock drawing test)、WMS (Wechsler Memory Scale)の心理テストを行っている。 臨床所見として、撮像時点までの経過をチェックし、正常群、MCIからアルツハイマー病に移行した群、MCIで安定していた群、軽度のアルツハイマー病群に分ける。MCI症例ですでに抗認知症薬を投与されている症例に関しては、症状の進行が抑えられた群、症状の進行が抑えられなかった群を分けている。 撮像はシーメンス社製Magnetom Verio 3.0T MR撮像装置を用いて、通常のMRI撮像に加えて、EPI法による拡散画像(TR=6100ms, TE=131ms, b=1000,2000 30軸エンコード, FOV=230mm, Matrix=128x128, Slice thickness=3mm Voxel size=1.8x1.8x3mm)を撮像して、拡散尖度画像を得ている。拡散尖度画像はMRI装置内部で生成が可能となっており、当初予定していた、外部の拡散尖度画像生成のためのソフトウェアは使用せずに行うことができている。ヒストグラム解析のためには、より自動化の進んだOlea Medical 社のSphere v2.3を使用することにした。 なお、拡散尖度画像に関してのパイロットスタディーとして行った、拡散尖度画像による脳梗塞の評価は、2014年のAJNR誌に採択されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この1年間で20例の撮像が完了している。 また、撮像と解析に関連する、倫理員会の承認、装置の整備、後処理および評価のためのコンピュータの環境の整備もおおむね完了している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例を積み重ねていく。 また、当初の計画には含まれていなかったが、より進んだ Neurite orientation dispersion and density imaging(NODDI)を適用できる可能性に関して模索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
北米放射線学会出張のための旅費を、教室費からまかなうことができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は国際磁気共鳴医学会への出張を予定しているが、その費用に充てたい。
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