動脈硬化性病変の画像診断の進歩は著しいが、脳小血管病の画像診断技術は未確立である。本研究では7T超高解像度MRAと数値流体力学解析を組み合わせ、脳梗塞における穿通動脈の軽微な変化を検出することで、脳小血管病の高精度診断技術の確立を試みた。 基底核領域の急性期非心原性脳梗塞患者45例に対し7T高解像度MRAを撮像し、レンズ核線条体動脈(LSA)を含む血管形状モデルを作成して数値流体解析を行い、壁せん断応力(WSS)を算出した。LSA梗塞患者における患側LSAのWSSは健側に比し有意な低値を示したが、中大脳動脈では差異を認めなかった。LSAの流体力学的特性が脳小血管病と関連していることが示された。
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