末梢神経障害に対してMRIでの拡散テンソル画像が有用な評価法か否かについての研究を行った.末梢神経ファントムを作成し,撮像条件を変化されることにより拡散テンソル画像からの測定値に影響が出ることを確認した.撮像条件を一定にし,健常ボランティアの手関節レベル正中神経を撮像し,神経伝導速度測定と比較した.拡散テンソル画像と神経伝導速度測定には相関関係があることを確認した.正中神経障害患者での拡散テンソル画像の撮像を行い,正常正中神経とは測定値に差が認められた.この結果は,MRIによる画像評価のみならず,拡散テンソル画像からの測定値によっても末梢神経障害を評価することが可能であるとする結論となった.
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