研究代表者の異動に伴い、新たなPCを購入して3次元(3D) tagging MRI解析データを移動した。対象者の匿名化の作業やソフトウエアをサポートするGyroTools社のGerard Crelier PhDとの調整に時間を要した。 昨年度から引き続き、心肥大と心不全をともに示した症例に焦点を絞り解析を進めた。前年度の結果と同様に、心筋瘢痕を認めない場合でも、心室後壁などに機能的な異常や力学的な異常が示唆された。 昨年度の論文では、心筋ストレインの低下が部位は心筋瘢痕と必ずしも一致しないことが示され、左室駆出率の低下した高血圧性心筋症では全体的にも局所的にもストレインは病的に低下していることが示された。本年度ではほかの3D撮像法とあわせた英語・総説論文を記し、採択されている(Amano Y. Three-dimensional cardiac MR imaging: related techniques and clinical application. Magn Reson Med Sci in press)。 今回の研究により、3D tagging MRIは3回の息止めのみで心臓全体の動きやstrainを解析できる、高速かつ技術的に有用な方法であることが確認された。解析手法も比較的官位であった。また心不全症例、とくに心肥大を伴う疾患では、特異的な局所の異常所見を明示することが結論付けられた。
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