心不全症例に対して、3D tagging MRIを施行し、左心室全体の壁運動の定量解析を行った。技術的にはスイスにある研究所の助力を得た。今回は、心不全に加えて、とくに心肥大を合併した症例(高血圧性心筋症、心アミロイドーシス等)に焦点を当てた。その結果、本方法では3回の呼吸停止で、左心室全体を観察でき、疾患によって異なる局所異常があることが示された。また他のMRI撮像法で描出される心筋瘢痕を認めない場合でも、局所のstrainの低下が認められた。今回の研究により、心不全と心肥大を合併した症例では、機能的な異常や力学的な要素などが、心筋障害が重症化する前に生じていることが示された。
|