研究課題/領域番号 |
26461839
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (10611171)
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研究分担者 |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
伴 信彦 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70251220) [辞退]
古場 裕介 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (10583073)
赤羽 恵一 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, その他部局等, その他 (80202521)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療被ばく / WAZA-ARI / CT臓器線量評価 / MDCT |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、CT診断から受ける患者被ばく線量を推定できるWAZA-ARIシステムにおける80列以上の多列化CT装置(MDCT)の追加を実現化し、線量計算を可能とすることである。平成27年度は、予備実験を行い、80列MDCT装置にてデータ収集を実施した。データ収集にはペンシルビーム測定器のPiranha CT 455型X線CTアナライザとガラス線量計を用い比較した。これにより、これまでガラス線量計における測定値でCT装置における被ばく線量に影響するCT線源のエネルギーとその分布の推定をペンシルビーム測定器のPiranhaにて代用することが可能であり、従来のガラス線量計よりも効率良く測定できることが確認された。測定から得られたデータをもとに、WAZA-ARIシステムへの実装をおこなうため患者の性別、年齢、体型に応じた数学的ファントムを用いた臓器線量計算をおこなっている。具体的には、小児男女(0歳、1歳、5歳、10歳、15歳)および成人男女(痩せ型、標準、太り型)のそれぞれの臓器線量計算を順次進めている状況である。 また、国立研究開発法人放射線医学研究所のホームページにて公開しているWAZA-ARIシステムソフトの大幅な改修を実施し、機能拡張を図った。機能拡張の内容は、①リストファイル読み込み機能の追加、②ユーザー撮影条件の設定、③登録データのStudy ID. Serise IDの付加、④スキャンタイプと撮影範囲の対応、⑤管理機能の強化である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
27年度は予備実験を行い、80列MDCT装置にてデータ収集を実施した。データ収集にはペンシルビーム測定器のPiranha CT 455型X線CTアナライザとガラス線量計を用い比較した。これにより、これまでガラス線量計における測定値でCT装置における被ばく線量に影響するCT線源のエネルギーとその分布の推定をペンシルビーム測定器のPiranhaにて代用することが可能であり、従来のガラス線量計よりも効率良く測定できることが確認できた。当初の計画では、このPiranha測定器を購入する予定であったが、この測定器については、他の予算より購入できる見込みができたため、本研究では購入を見送り、WAZA-ARIシステムをより医療被ばくの管理を可能とする高度化、拡張に予算を投じることとした。WAZA-ARIシステムのソフトを改良することでより医療被ばく管理機能の拡張が図れ、より広くユーザー(診療放射線技師、医学物理士、医師、研究者)のニーズに対応しできるCT検査からの患者被ばく線量推定を行えるシステム構築が完成し、国立研究開発法人放射線医学研究所のホームページにて無料公開し、広くユザーに利用されている。
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今後の研究の推進方策 |
28年度は、WAZA-ARIシステムに80列MDCTの実装を実現化し、より広くユーザー(診療放射線技師、医学物理士、医師、研究者)の医療被ばく管理におけるニーズに対応できるシステム構築を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
CTを保有する施設での実験(測定)の旅費に使用する予定であったが、計画より安価であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度もCT保有施設での実験(測定)を計画しているので、その旅費に使用する計画である。
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