脂肪成分を多く含む液体食の摂取前後の経時的な膵液の分泌量の変化をMRIで観察したところ、摂取前に比べ、摂取5~19分後で有意に分泌量が多かった。また分泌量が最大となるのは摂取5分後で、その後徐々に低下していくことが分かった。 18種類の慢性的な腹部症状とMRIで測定した膵液の分泌量を比較検討したところ、「おならの臭いがいつもよりくさい」、「便の量が多い」、「便がやわらかい」の3症状に関しては、膵液の分泌量の低下と有意な相関関係が得られた。この3症状は脂肪成分の消化吸収障害でみられやすい症状であり、MRIによる膵液分泌の評価により、脂肪成分の消化吸収障害を予測できる可能性が示唆された。
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