近赤外線光免疫療法では、抗体とIRDye700という蛍光増感剤を結合させた薬剤を静脈内に投与した後、病変部に近赤外線を照射し、周囲の組織を傷害することなく病変部のみを壊死させる。近赤外線は3-5cm程度の深さまで到達できるので、表在の癌を対象として研究が進められている。 本研究では近い将来体内の深部の癌に対して光免疫療法を応用する際の前段階として、PET装置を使って薬剤の分布を評価した。用いる薬剤にポジトロン核種であるCu-64を標識して、担癌マウスのイメージングを行い、病変部がPET画像で認識可能であることを確認した。本法は将来の薬剤分布評価方法として光免疫療法の発展に役立つと考えられる。
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