研究課題/領域番号 |
26461850
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
郷原 英夫 岡山大学, 大学病院, 准教授 (10379745)
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研究分担者 |
金澤 右 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20243511)
平木 隆夫 岡山大学, 大学病院, 講師 (50423322)
松井 裕輔 岡山大学, 大学病院, その他 (50614351) [辞退]
藤原 寛康 岡山大学, 大学病院, 助教 (70423324)
生口 俊浩 岡山大学, 大学病院, 講師 (90423293)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 新規材料の開発 / VATSマーカー / 縫合糸 |
研究実績の概要 |
平成27年度は以下の検討を行なった。 1.平成26年度に各種縫合糸の穿刺針内の通過性を検証したが、本年度は縫合糸のX線視認性の付与について下記の実験を行なった。 2.X線視認性を挙げるために造影剤を使用したが(1)CT用の水溶性非イオン性ヨード造影剤、(2)、油性のリンパ管造影剤(ヨード化ケシ油)、消化管用造影剤(バリウム粉末)とした。モノフィラメントには(1) CT用の水溶性非イオン性ヨード造影剤、(2) 油性のリンパ管造影剤の造影剤はかろうじて付着するものの、穿刺針内で脱落が多く、穿刺針内通過後はX線視認性が十分とはいえなかった。ブレードタイプには(1) CT用の水溶性非イオン性ヨード造影剤、(2) 油性のリンパ管造影剤とも吸収され、良好な視認性を得られたが、湿気のためか穿刺針内で滑らなくなり、前年度に確認した通過性に問題が再燃した。(3) 消化管用造影剤のバリウム粉末はモノフィラメントには付着せず、ブレードタイプには水溶液にすれば付着するもののやはり湿気のためか通過性に問題が生じた。 3.試行錯誤を繰り返したが、視認性と穿刺針内の通過性の両者をクリアする組み合わせが現時点では発見できていない。ただ視認性自体はヨード化ケシ油とBaで十分であることが確認ずみであるため、通過性の問題がクリアできれば実験はすぐに実施可能となる。 このためX線CT下での穿刺、視認性確認の実験が行えておらず、最終年度に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初平成27年度に各種縫合糸に様々なX線視認性を付与し、穿刺実験を行う予定であったが、X線視認性は付与できるものの、穿刺針通過時に脱落したり、通過性自体が低下したりする問題を解決できなかった。両者を備えたマーカーを作成することが重要である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は27年度に解決できなかった、通過性と視認性の両者をもつマーカーを作成することである。平成27年度には単独の縫合糸、造影剤を使用していたが、複数の組み合わせにて作成可能であると推測している。具体的にはブレードタイプの縫合糸は、柔らかいため先端に湿気があると穿刺針内で滑らなくなってしまう。ヨード化ケシ油などを十分に乾燥させて湿気を取り除くこと、手前の柔らかい部分にCT用の水溶性非イオン性造影剤を浸潤させ、十分に乾燥させることにより、糸の硬化を図ることが可能であると推測している。またブレードタイプの縫合糸(十分な硬度がある)の先端部分にX線視認性を付与したブレードタイプの縫合糸を付着させることで通過性と視認性の両方が得られる可能性があると推測している。ただこの場合は縫合糸の太さがましてしまう欠点があり、穿刺針が太くなるかもしれない。 この2つの組み合わせで、CT下での穿刺実験を行う予定である。あわせてアンカー能力を実験する予定である。アンカーには引抜き試験を用いる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
X線CT下での穿刺実験が平成27年度に行えなかったので、ファントム購入用に予算立てしていた多くの費用と実験用穿刺針自体の購入を行わなかったため、多額の次年度使用が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
CTガイド下穿刺用ファントムの購入と実験用穿刺針の購入を行い、穿刺実験と引き抜き実験を行う予定である。
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