門脈圧亢進症に対するIVR治療(部分的脾動脈塞栓術<PSE>)が肝硬変患者の局所及び全身血行動態に及ぼす影響について検討した。PSE94例において心拍出量は有意に低下したが、血清レニン・アルドステロン・脳性ナトリウム利尿ペプチドに有意な変化は認められなかった。門脈血流量が有意に減少する一方、肝動脈血流量は有意に増加し、門脈圧(肝静脈楔入圧・肝静脈圧較差)は有意に低下した。また肝組織学的検査では術前後で明らかな変化は認められなかった。PSEが肝局所及び全身循環動態に及ぼす影響は大きく、今後これらのIVR治療と自己骨髄細胞投与療法(ABMi療法)の相乗効果について更なる解析・検討を進めていく。
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