研究課題/領域番号 |
26461856
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
安座間 真也 佐賀大学, 医学部, 助教 (50398129)
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研究分担者 |
野口 智幸 独立行政法人国立国際医療研究センター, 放射線診療部門, 放射線管理室医長 (40380448)
入江 裕之 佐賀大学, 医学部, 教授 (50284493)
江頭 秀哲 佐賀大学, 医学部, 助教 (60457463)
西原 正志 佐賀大学, 医学部, 助教 (50516557)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ASL / 頚部内頸動脈狭窄症 / CAS / ステント / IVR / MRI |
研究実績の概要 |
血管系IVRにおける治療適応判定は形態学的評価が主であり、また治療効果判定は手技的成功率や生存率、局所制御率等いずれも定性的あるいは半定量的方法で判断され、定量的評価による具体的かつ詳細な解析がなされていない。近年開発されたASL-MRI(アーテリアル・スピン・ラベリング;ASL)とは、非侵襲性に臓器血流量を測定するMRI画像診断法のひとつである。本研究では血管系IVRにおける治療適応・治療効果の評価法の新たな定量的解析ツールとして、ASL-MRIを活用する方法の開発と具現化を目指すことが目的である。 初年度である2014年度において、臨床応用によるデータ蓄積をすみやかに開始することが出来た。頚部内頸動脈狭窄症に対してCarotid Arterial Stenting(頚部動脈ステント留置術;CAS)前後にASL-MRIが撮影された18例において、ASL-MRIにて脳血流の変化を観察した。その結果、CAS術前では18例全例で病変側大脳半球の一部または全体に血流低下が認められたが、CAS術後には10例で血流改善を認めた。一方、CASの合併症として報告されている術後過灌流については観察されなかった。この検討結果について、学会発表を行った(2015年02月18日 第90回 Neuro-Imaging-conference筑後・佐賀(久留米市 筑水会館))。今後は本研究結果を論文化すると共に、症例の蓄積を実行し、より多数の症例での妥当性の研究を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頚部内頸動脈狭窄症に対してCAS前後にASL-MRIが撮影された18例において、ASL-MRIにて脳血流の変化を観察し、有用な所見が得られた検討結果をまとめ、学会発表を行った(2015年02月18日 第90回 Neuro-Imaging-conference筑後・佐賀(久留米市 筑水会館))。今後、更なる症例の蓄積と、データ解析が必要であるが、最終的な目標である原著論文完成を目指し、まずまずの滑り出しと考えられる。また、現在は、ASLでの血管内信号有り無しでの2種類の画像を同時撮影し、その違いを明らかにできるように新規プロトコルでの撮影を既に開始している。その検討結果を将来発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前述の如く、CAS術前後のASL-MRIでの脳血流評価において、有用な検討結果が得られた。これを論文化するべく、現在データ固定と詳細解析並びに英語論文作成中である。また今後、更なる症例の蓄積と、データ解析を行い、多数の症例での妥当性研究を行う予定である。また、現在は、ASLでの血管内信号有り無しでの2種類の画像を同時撮影し、その違いを明らかにできるように新規プロトコルでの撮影を既に開始している。その検討結果を将来発表する予定である。また、CASと頚動脈内膜剥離術(CEA)でのASLを用いた術前後の脳血流変化の違いなどを検討するべく計画している。
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