これまでに,メタヨード(123I)ベンジルグアニジン(123I-MIBG) およびイオフルパン(123I-Iofulpane)の薬剤動態を数学的・統計学的解析手法を用いて入力関数決定の理論を構築し臨床適用可能な入力関数決定法の自動解析プログラムを開発した. 最終年度は,123I-MIBGおよび123I-Iofulpaneそれぞれの入力関数決定プログラムを組み込んだ全自動定量プログラムを作成し,これらの再現性および精度を臨床データを用いて検証した.123I-MIBGでは,心臓(H) と縦隔(M) の取り込み比率(H/M) と本自動定量法の比較では,自動定量法の鑑別能が20%優れていた.自動定量法は、レヴィ小体病、アルツハイマー病を識別することが可能であり、その有用性が示唆された。現在臨床で用いられる判定量との関係性を明らかにする。123I-Iofulpaneでは,線状体部およびバックグラウンド部の相対値と自動定量法との比較では,自動定量法の鑑別能が123I-MIBGと同様に,約20%優れていた.123I-MIBGの2次元画像に対する全自動定量法の成果の一部をAsia Oceania Journal of Nuclear Medicine Biologyに論文として公表した.現在,3次元画像解析による全自動定量法に関する成果についても,論文投稿準備中である.123I-Iofulpaneでは,定量法の開発について,日本核医学技術学会にて発表した.現在この成果の論文投稿準備中である.
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