研究実績の概要 |
前期平成26年度での研究報告に引き続き、EMSBに125Iと18Fを、アミロイド診断薬である125I-EISBと18F-EFSBを標識合成した。今年度の本研究の目的は,1)標識合成する際の最適反応時間の決定すること,得られた1-(2-125I-ethoxy)-2,5bis (styryl) benzene (125I-EISB)の血液中での化学的安定性の評価を行うことである. 他の2)は、安定同位体である19F-EFSBによる様々な病型の全身性アミロイド―シス患者のアミロイド集積を蛍光し薬剤として組織化学的分析を行った。 1)前駆体EMSBのメシル基と125I-の求核置換反応により125I-EISBを得るための最適反応時間は10分であり,生理食塩水とヒト血清中における125I-EISBは精製後24時間までは安定であったことから,体内においても125I-EISBは化学的に安定であることが解った。
2)18F-EFSB の安定同位体である19F-EFSB を用いて、アミロイドへの反応性を検討した。Fig. 2 に示すように、全ての標本においてコンゴーレッド染色により橙赤色を示し、偏光顕微鏡下観察で緑色の複屈折を呈する箇所が存在したため、アミロイドの沈着が証明された。また[18F]EFSBの標識合成は、18Fは日本赤十字社熊本健康管理センターのサイクロトロン装置を用いて製造した。窒素ガス気流中で加熱した後、さらに無水アセトニトリル0.4mlを加えて共沸蒸留した。前駆体であるEMSB0.5mgをアセトニトリル2mLで溶解した溶液を加えて、200℃-5分間で合成した。固相抽出法により95.1%±3.4と高い放射化学的純度を獲得溶液は中性で、有害菌および異物の混入は無かった。
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