研究課題
胆道癌の予後は不良で5年生存率は病期に加えてFDG-PETのSUVmaxやTLGがoverall survival(OS)を規定する因子とされている。また腫瘍遺伝子発現と予後との関連も知られている。本研究では胆道癌を対象に術前FDG-PET/CTから得られたFDG集積指標及び術後癌組織における腫瘍遺伝子発現強度と予後との関連ついて検討した。(方法)術前にF-18 FDG-PET/CTが施行された胆道癌56例で、切除がん組織からRNA抽出を行いRT-PCRを用いて腫瘍遺伝子DNAとハウスキーピング遺伝子(GAPDH)のDNAの発現強度を評価した。(検討項目)FDG-PET/CT指標、遺伝子発現と生存予後(OS)の関連及び予後規定する独立因子を評価した。統計解析には単変量解析ではKaplan-Meier法、とMantel-Cox検定、多変量解析ではCox 比例ハザード回帰を用いた。(結果)単変量解析ではMTVを除き、FDG集積指標はOSと有意な関連を認めた。多変量解析ではSUVmax及びSUVpeakが独立予後因子であった。(考察)胆道癌では病期が進行するにつれ予後が不良になるが本研究ではIII期とIV期の間でOSの差が100日以上あったものの統計学的有意差は無かった。FDG集積指標ではSUVmaxとSUVpeakが予後規定因子として認められた。容積指標が独立因子でなかった理由として胆管長軸に沿って進展するため腫瘍量が正確に反映されなかった事が挙げられる。遺伝子発現に関してもKi-67高発現例で予後不良の傾向があったが、独立因子にはならなかった。KRASやBRAF変異について予後との関連は無いとする報告もあり、多数例での網羅的研究が必要と思われた。(結論)胆道癌において術前FDG-PETから得られたSUVmaxとSUVpeakは独立予後因子である。
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