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2015 年度 実施状況報告書

進行肝細胞癌に対する薬剤溶出性ビーズを用いた新規肝動脈塞栓術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461868
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

阪口 浩  奈良県立医科大学, 医学部, その他 (10205734)

研究分担者 平井 都始子  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00208802)
田中 利洋  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70326338)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードインターベンショナルラジオロジー(IVR)
研究実績の概要

昨年度の研究成果をもとに、肝細胞癌の血流動態を想定した家兎の多血性肝腫瘍モデルを作成。超音波画像による評価で腫瘍内部血流を確認後に、大腿動脈から挿入したカテーテルからTACEを行った。カテーテルは家兎専用に作成した先端1.7Fの細径のものを使用。血流を遮断しないように、左肝動脈内へ挿入した。マイクロスフィアは生体内で溶解消失するスターチ・マイクロスフィアを選択した。抗がん剤はシスプラチン微少粉末を用いた。結果は病理学的にはHE染色とTUNE染色を用いた腫瘍壊死とアポトーシスの評価で、良好な効果がえられていた。高濃度シスプラチン溶液とスターチ・マイクロスフィアとの混和は腫瘍内で薬剤徐放が期待できることが明らかになった。その薬理学的有利性は病理学的抗腫瘍効果を反映していると考察できた。24時間後の病理標本でスターチ・マイクロスフィアが生体内で溶解されていることが確認できたことから、繰り返すカテーテル治療に有用な塞栓物質であると考えられた。本TACEによる毒性は軽微であり翌日の血液生化学検査ではシスプラチン溶液の肝動注と比較しても肝機能に与える影響に有意差は認められなかった。超音波画像を用いたマイクロスフィアの生体内での動態については、描出が不十分であったため、現時点で評価できていない。次年度に異なるマイクロスフィアおよび異なる超音波装置を用いて動脈注入後の生体内動態の観察を試みる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

超音波画像を用いたマイクロスフィアの生体内動態の観察が、マイクロスフィアサイズと超音波装置の条件が合わず難渋している。

今後の研究の推進方策

異なるマイクロスフィアおよび異なる超音波装置を用いて動脈注入後の生体内動態の観察を試みる。

次年度使用額が生じた理由

多血性腫瘍モデルを用いたマイクロスフィアTACEの実験は完遂したが、超音波装置の条件が合わず、生体内動態に関する十分な観察が行えなかった点で次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

ポリビニルアルコール製など他種のマイクロスフィア、超音波装置を用いて追加実験を行うのに使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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