腫瘍間質内に最も多く含まれる細胞である癌関連線維芽細胞(CAF)およびそこから分泌される液性因子に着目し、放射線照射とCAFとの関連を明らかにすることを目的に本研究を行った。本研究の結果、マウス胎仔線維芽細胞(MEF)へのX線照射により、CAFとの類似性が報告されている老化細胞が出現し、これと同時に複数のサイトカインの発現が亢進した。また、X線照射により細胞の酸化ストレスレベルが増大し、この一部はNADPH oxidaseファミリータンパク質であるNOX4によるものであることが明らかとなった。その一方で、X線照射後のMEFからの液性因子分泌にはNOX4が関与していないことが示唆された。
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