研究課題/領域番号 |
26461877
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
麦倉 俊司 東北大学, 大学病院, 准教授 (20375017)
|
研究分担者 |
神宮 啓一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00451592)
力石 健 東北大学, 大学病院, 助教 (40400379)
高橋 昭喜 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (80148874)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 小児がん / 放射線治療 / MRI |
研究実績の概要 |
小児白血病を含む小児がん長期生存者の約60%に、のちに認知機能障害という困難な晩期障害が生じる危険があるとされている。これは90年代半ばまで広く行われていた予防的全脳放射線照射の影響が主たる原因と考えられ、現在、認知機能障害をも考慮した長期フォローアップガイドラインの作成が日本でも進行中である。一方、近年高磁場(3テスラ)を含むMRI技術の進歩に伴い、従来からの形態画像のみならず機能的画像による評価が可能になっている。 本研究の目的は、小児白血病を含む小児がん長期生存者を対象に、MRI機能的画像所見と認知機能の有無、障害の程度との関係を明らかにすることで、機能的MR画像が、晩期認知機能市障害のイメージングバイオマーカーになり得るという仮説を検証することである。 全脳照射をうけ、10年以上経過した患者20人が登録された。化学療法施行群10人、非施行群10人の2群に分けられた。2群間で我々が、照射による微小血管障害の重要視しているT2スター強調像での微小低信号の数を比較している。化学療法施行群 平均8.5個、非施行群 平均9.5個で統計的有意差はなかった。今後、さらに症例数の増加と拡散テンソル、灌流画像による検討も行う予定である。本研究は 平成27年度 東北大医学部奨学賞 研究課題名「小児がん放射線治療後認知機能障害:MRIによる脳微細構造検出に基づく病態解明とリスク診断」(研究協力者 李麗)を受賞した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者の登録は対象を小児白血病のみでなく、頭蓋内照射を受けた小児脳腫瘍や、固形がんも対象に加えるとで比較的順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画当初は、小児白血病を中心とした登録、解析を検討おこなウ予定でいたが、臨床フォローアップ間隔が長く、来院機会が少ないなど、画像検査施行可能症例が比較的少なく状態であった。したがって統計的検出力をあげるため、頭蓋内照射を受けた小児脳腫瘍や、固形がんも対象に加えるとことを検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、微小血管障害の評価を中心に行い、拡散テンソル画像と潅流画像の解析は行わなかった。このため、ワークステーション、解析ソフトの導入が不要となった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、拡散テンソル画像と拡散テンソル画像と潅流画像の解析のため、新規ワークステーションの購入、解析ソフト購入に充当する予定である。 また、次年度は対象として現在頭蓋内照射を受けた小児脳腫瘍や、固形がんも加える予定であり、解析対象となる症例数が大幅に増加する可能性がある。したがってデータ収集、解析に際し、学生アルバイトを雇用に充てる予定である。
|