研究課題
小児白血病生存者の約60%に、のちに認知機能障害という困難な晩期障害が生じる危険があるとされている。これは90年代半ばまで広く行われていた予防的全脳放射線照射の影響が主たる原因と考えられ、現在、認知機能障害をも考慮した長期フォローアップガイドラインの作成が日本でも進行中である。一方、近年のMRI技術の進歩に伴い、従来からの形態画像のみならず機能的画像による評価が可能になっている。本研究の目的は、小児白血病長期生存者を対象に、MRI機能的画像所見と認知機能の有無、障害の程度との関係を明らかにすることで、機能的MR画像が頭蓋内放射線障害を早期にとらえその後に生じうる晩期認知機能障害のイメージングバイオマーカーになり得るという仮説を検証した。小児白血病頭蓋内照射治療後、長期生存患者における認知機能障害の有無やその程度とMRI機能的画像所見との関係を明らかにし、画像によるフォローアップガイドラインを提案するために 本研究では以下の研究項目を検討した。1.認知機能障害の評価:成人知能検査、記憶検査、など定量的評価。2.MRI機能画像所見:頭蓋内放射線治療による微小血管障害、白質障害、神経細胞密度の低下、局所脳血流低下がMRI画像上認められるか。3.認知機能障害有無とMRI機能画像所見:認知機能障害有無、程度とMR画像の関係。対象: 1980年4月以降、当院小児科にて急性白血病と診断、治療された患者で予防的に頭蓋内放射線治療が施行された患者で現在、外来でフォロー中、かつ本研究参加に同意の得られた患者である。頭蓋内照射された136人中、患者約30例を対象とし、現在結果を総括し、論文を作成中である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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