研究実績の概要 |
画像誘導小線源治療法の線量容積ヒストグラムパラメータの解析を行った。対象は、2008年から2011年まで根治目的で3次元画像誘導小線源治療を施行されたFIGO病期IB期からIVA期までの子宮頸癌患者80名である。年齢の中央値は59歳であった。病理組織学的には、扁平上皮癌68名、腺癌11名、未分化癌1名であり、病期別にはIB期18名、II期33名、III期27名、IVA期2名であった。放射線治療は、全骨盤照射50Gy/25fr(進行期に応じて20-40Gy時に中央遮蔽施行)と小線源治療24Gy/4fr(high risk clinical target volume, HR-CTVのD90に対する処方線量)を原則とした。CTによる小線源治療計画では、内診所見およびMRI画像(治療前と小線源治療前)を参照した。シスプラチンベースの化学療法が32名に同時併用された。観察期間の中央値が60か月の時点で、全80名の5年局所制御率、骨盤内制御率、全生存率はそれぞれ94%、91%、86%であった。5年局所制御率は、I期、II期、III-IVA期でそれぞれ94%、97%、90%であり、有意差は認められなかった。5年全生存率は、I期、II期、III-IVA期でそれぞれ89%、97%、72%であり、II期とIII-IVA期の間で有意差が認められた(p=0.006)。Grade 2の晩期有害反応は、直腸に3名、膀胱に4名認められ、Grade3以上の反応はなかった。線量容積ヒストグラムパラメータでは、腫瘍径が4c以下、4-6cm、6cm超の群別にHR-CTVのD90が69GyEQD2, 68GyEQD2, 67GyEQD2と大きな腫瘍に対しても目標線量(>60Gy EQD2)が投与できており、各群の局所制御率も96%、91%、94%と大きさに関わらず良好な制御が得られていた。以上から、子宮頸癌に対する3次元画像誘導小線源治療では、進行期であっても良好な局所制御が得られていた。
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