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2015 年度 実施状況報告書

婦人科腫瘍に対する画像誘導小線源治療の確立に向けた基礎的・臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461879
研究機関群馬大学

研究代表者

大野 達也  群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (10344061)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード放射線治療 / 子宮頸癌
研究実績の概要

画像誘導小線源治療法の線量容積ヒストグラムパラメータの解析を行った。対象は、2008年から2011年まで根治目的で3次元画像誘導小線源治療を施行されたFIGO病期IB期からIVA期までの子宮頸癌患者80名である。年齢の中央値は59歳であった。病理組織学的には、扁平上皮癌68名、腺癌11名、未分化癌1名であり、病期別にはIB期18名、II期33名、III期27名、IVA期2名であった。放射線治療は、全骨盤照射50Gy/25fr(進行期に応じて20-40Gy時に中央遮蔽施行)と小線源治療24Gy/4fr(high risk clinical target volume, HR-CTVのD90に対する処方線量)を原則とした。CTによる小線源治療計画では、内診所見およびMRI画像(治療前と小線源治療前)を参照した。シスプラチンベースの化学療法が32名に同時併用された。観察期間の中央値が60か月の時点で、全80名の5年局所制御率、骨盤内制御率、全生存率はそれぞれ94%、91%、86%であった。5年局所制御率は、I期、II期、III-IVA期でそれぞれ94%、97%、90%であり、有意差は認められなかった。5年全生存率は、I期、II期、III-IVA期でそれぞれ89%、97%、72%であり、II期とIII-IVA期の間で有意差が認められた(p=0.006)。Grade 2の晩期有害反応は、直腸に3名、膀胱に4名認められ、Grade3以上の反応はなかった。線量容積ヒストグラムパラメータでは、腫瘍径が4c以下、4-6cm、6cm超の群別にHR-CTVのD90が69GyEQD2, 68GyEQD2, 67GyEQD2と大きな腫瘍に対しても目標線量(>60Gy EQD2)が投与できており、各群の局所制御率も96%、91%、94%と大きさに関わらず良好な制御が得られていた。以上から、子宮頸癌に対する3次元画像誘導小線源治療では、進行期であっても良好な局所制御が得られていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

画像誘導小線源治療法の線量容積ヒストグラムパラメータの解析を行い、現在の前向き試験の背景を確認できたため。

今後の研究の推進方策

前向き臨床研究の推進(現在目標症例登録数の半分に達している)を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A questionnaire-based survey on 3D image-guided brachytherapy for cervical cancer in Japan: advances and obstacles.2015

    • 著者名/発表者名
      Ohno T, Toita T, Tsujino K, Uchida N, Hatano K, Nishimura T, Ishikura S.
    • 雑誌名

      J Radiat Res.

      巻: 56 ページ: 897-903

    • DOI

      10.1093/jrr/rrv047.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 婦人科悪性腫瘍に対する重粒子線治療2015

    • 著者名/発表者名
      大野達也
    • 学会等名
      第67回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2015-04-10 – 2015-04-10
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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