ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治療効果向上に資するため、①分割照射、②腫瘍細胞の遺伝的背景、③化学療法剤(テモゾロミド)との併用、④中性子線のエネルギースペクトルの4点が、細胞生存率やDNA二重鎖切断の誘発に及ぼす影響について、培養細胞(ヒトグリオーマ細胞及びチャイニーズハムスター卵巣細胞)を用いて検討した。その結果、分割照射や腫瘍細胞のp53突然変異で細胞生存率は変動するが、中性子線ではガンマ線ほど顕著でなかった。また、化学療法剤により細胞の生存率は相乗的に低下すること、中性子線のエネルギースペクトルの違いは細胞生存率に大きく影響しないことが分かった。
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