研究課題/領域番号 |
26461890
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
村上 祐司 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 講師 (10403528)
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研究分担者 |
永田 靖 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (10228033)
木村 智樹 広島大学, 病院(医), 講師 (90379876)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 食道癌 / 放射線治療 / 強度変調放射線治療 / 強度変調回転照射 / 心臓毒性 |
研究実績の概要 |
「放射線性心毒性低減を目指す食道癌への超短時間強度変調放射線治療技術の開発」 本治療では強度変調放射線治療技術を用いるため、標的の固定精度が重要な因子となる。我々は、これまでに治療時の患者位置誤差の軽減のために、Vac-lockとbody shellを用いた患者固定およびOn board imagerで骨照合を行った後にCone beam CTを用いて患者体位の一誤差を最小限にするシステムを開発した。食道の生理的な移動は呼吸や心拍動に由来するが、そのうち呼吸性移動の影響を把握するために治療計画時に病変位置確認用に留置する金属マーカーの移動量を4DCTにて得たデータを解析し算出した。その結果、特に下部食道における生理的移動は大きく、心臓線量低減のためには息止めでの照射が推奨されるという知見を得た。息止め照射の場合は、日々の位置誤差が問題となるため、日々の息止めでのマーカーの位置変異を算出、上記標的固定システムを用いることで誤差は軽微であることを確認した。その後、固定システムおよび息止め照射を想定した強度変調放射線治療計画法についての検討を行い、心臓線量を低減しつつ、肺野への照射線量を許容範囲とする照射法の開発を行っている。従来の治療計画コンピュータでは達成困難であった肺線量の許容値保持は最新バージョンの計画コンピュータの使用と強度変調回転照射の照射ビームの設定を試行錯誤することで達成可能な状況まで到達した。今後は、複数の放射線治療計画コンピュータを用いたシミュレーションスタディによる比較を行い、最適な短時間照射技術開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は概ね順調に進捗しているが、さらなる研究進捗と研究総括を行い、成果公開を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
複数の放射線治療計画コンピュータを用いたシミュレーションスタディによる比較を行い、最適な短時間照射技術開発を完遂する。その後、国際学術集会での研究成果報告と論文作成を行う。また、本技術の臨床導入に向けた新研究を考案中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた国際学会参加目的の旅費が不要となったため
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次年度使用額の使用計画 |
以下の用途で使用予定である。国内および国際学術集会での成果報告および情報収集のための旅費。データ整理および解析目的のコンピュータソフトの購入。研究に必要な物品(消耗品)の購入。データ取り扱い用のタブレットの購入。
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