研究課題
1.中性アミノ酸トランスポーター(LAT1)の特異性の検討今回の薬剤の標的としては腫瘍に特異的に発現が増強されるトランスポーターであるLAT1を用いているが、この特異性については年年度に作製した[14C-carbonyl]FAMTを用い、培養細胞等を用い、評価が進んでいる。やはりアルファ位弐メチル化することにより特異性が上昇することにkついてはさらに確度の高い治験が得られている。この件に関しては、本研究の研究協力者である大阪大学医学部 金井教授のグループより来年度早々にも報告する予定にしている。詳細については第129回日本薬理学会近畿部会にて報告する。また疾患との関連性についても群馬大学の解良先生を中心に検討を進めており、今年度も数報報告に至っている。2.高特異性ホウ素中性子捕捉療法薬剤の試作前年の結果より、通常のアミノ酸より、アミノ酸のアルファ位をメチル化したものが、LAT1に対して、特異性が高いことがわかった。中性子捕捉療法薬剤は大量の薬剤を投与し、腫瘍組織に多くの薬剤を集積させる必要がある。そのためには高い水溶性が要求される。アミノ酸とアルファメチル化したアミノ酸では、アルファメチル化したアミノ酸の方が水溶性が低く出る傾向があることがわかった。FAMTを母骨格としたホウ酸化アルファメチルチロシンの合成について検討したが、イオン性官能基が複数存在することもあってうまくいっていない。まだ検討未了というところで終わってしまっている。
3: やや遅れている
アミノ酸はアルファメチル化すると水溶性が落ちてしまう現状を知り、ホウ酸化を躊躇してしまった。ホウ酸化することにより、水溶性の向上が期待されるのでアルファメチルチロシンの作製を次年度には実施したい。また溶解補助剤の活用なども積極的にに進めていく。
本研究にてLAT1の特異性に関する知見が得られ、次年度はアルファメチルチロシンによるホウ酸化を進めて行き、高特異性ホウ素中性子捕捉療法薬剤として、少なくとも細胞実験まではこじつけたいと考えている。当然、動物実験も視野に入れて研究を進めていく。
高特異性ホウ素中性子捕捉療法薬剤の試作については、合成戦略が甘く、目的とする化合物を得るまで至っていない。また次年度からは、新しい研究エリアを設けることができ、本年度より数段効率よく検討できると考え、次年度に研究費を繰り越した。
試作の段階で、特性はかなり把握できたので、来年度には試作品を完成させ、様々な検討を行っていく計画にしている。
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