研究課題
局所進行非小細胞肺癌に対する化学放射線療法と抗EGFR抗体との併用療法(第Ⅱ相試験)の長期治療成績と病理組織標本でのEGFR発現/変異の程度との相関について検討した。評価可能39例の内訳は,年齢中央値が62歳(31~73歳),男女比は34/5;ⅢA期/ⅢB期が21/18; PS0/1が25/14であった。全体の3年ならびに5年生存率は66.4%,58.4%と良好で,grade 3以上の非血液毒性は認められなかった。さらに無増悪生存期間の中央値は16.9か月で,組織型別の5年無増悪生存率は扁平上皮癌(n=16)が50%, 非扁平上皮癌(n=23)が13.7%と扁平上皮癌で良好であった。初回再発形式をみると,局所再発率は,扁平上皮癌が4/16(25%),非扁平上皮癌が3/23(13%)といずれも低率であった。しかし,遠隔再発率は非扁平上皮癌が16/23(70%)で扁平上皮癌の4/16(25%)に比べて有意に高かった(p<0.05)。EGFR IHC/FISH法を用いてEGFR蛋白/変異の割合を20例について調べたところ,EGFR2+/3+発現は扁平上皮癌が8/10,非扁平上皮癌は4/10であった。また,EGFR変異は非扁平上皮癌の2例のみであった。以上の結果から抗EGFR抗体は放射線増感作用を有することが示唆され,EGFRの発現率が高い扁平上皮癌で有用である可能性が示された。さらに化学放射線療法を施行した局所進行非小細胞肺癌症例のうち長期生存例を抽出し,予後不良例との間で有意差のみられるバイオマーカーについて探索抽出ならびに有用性に関する検討を行っている。まとまり次第,論文化する予定である。
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Radiat Oncol
巻: 12 ページ: -
10.1186/s13014-016-0742-3
Oncol Lett
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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