膠芽腫は最も難治性の中枢神経原発悪性腫瘍である。低線量照射に対する細胞反応は放射線高感受性であることに着目し、基礎的検討を行った。膠芽腫細胞株に対して低線量照射を行い、細胞生存率と細胞周期、アポトーシス誘導を測定した。コロニー形成法による検討では、放射線超感受性を示唆する生存曲線が複数のセルラインで観察された。細胞周期やアポトーシス誘導の変化は検出困難であった。そこで低線量照射を反復して行ったところ、照射間隔が比較的長い(30分)群で細胞生存率の低下が観察され、照射後早期(30分)でG1期分画比率の減少とG2/M期分画の増加、アポトーシス分画の比率の増加が観察され、有効な治療法と考えられた。
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