新発想による日本発次世代高精度放射線治療アルゴリズムの実証

2015 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 26461898
• 研究機関: 東海大学
• 研究代表者: 国枝 悦夫 東海大学, 医学部, 教授 (70170008)
• 研究分担者: 株木 重人 東海大学, 医学部, 講師 (00402777) ; 尾川 浩一 法政大学, 理工学部, 教授 (00158817)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: VMAT / 放射線治療 / アルゴリズム / 最適化

研究実績の概要

従来のガントリー連続回転による強度変調放射線治療、VMAT, RapidArcと呼ばれる照射法は治療台の移動がなく、現状の通常照射用のライナックにも適した照射法である。我々は、さらに寝台移動を加えながらrotational Volumetric Arc Therapy(回転VMAT)をおこなう治療計画方法を提案し、照射効率の向上、照射時間の短縮による安全で患者の負担の少ない治療の研究、すなわち更なる治療効果の向上を目指して,VMATやトモセラピーを超えた新しい照射法、CT型でマルチリーフコリメータを装備する装置の特徴を最大限に生かす照射方法の開発を行ってきた。
今年度は、逐次補完により、ガントリー回転および同時治療寝台移動を盛り込んだヘリカルVMATアルゴリズムの改良を中心に研究を行った。数方向から照射した場合のIMRT最適化をおこない、さらにその中間の角度のビームを加えてリーフ移動速度制限等の制約条件と伴に更に最適化をおこなうが、制約条件に、より実際的な幾つかの制限を加えるとともに、それに対応できるようなアルゴリズムの効率化、高精度化を図った。
基本的には実機の制約にとらわれず、次の世代の装置開発につなげるアルゴリズム開発をも視野にいれた研究であるが、現実的な装置と線量計算アルゴリズムでも、実治療に対応できるような検討も必要であると考えた。今年度研究により、通常照射用のライナックにもある程度、適用できる様になり、実測との比較が容易になった。また、計算アルゴリズムの改良を行い、より高速な計算に対応できるようにした。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、制約条件に、より実際的な幾つかの制限を加えるとともに、それに対応できるようなアルゴリズムの効率化が進んでいる。

今後の研究の推進方策

より実際的な人体構造データに対し治療計画を立て、現在の照射法の結果と比較検討を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

実験用消耗品やソフトウェアを購入する予定だったが、在庫状況等の関係で来年度に購入することにしたため

次年度使用額の使用計画

実験用消耗品やソフトウェアを購入する

研究成果

• [雑誌論文] 医療用コンプトンガンマ線カメラのデザインシミュレーション (2016)
  • 著者名/発表者名: 高野 奨悟, 藤井 柊輔 櫛田 淳子 西嶋 恭司 山下 諄 株木 重人 國枝 悦夫
  • 雑誌名: 東海大学理学部紀要 巻: 51 ページ: 19-25
• [雑誌論文] Prospective Trial of Stereotactic Body Radiation Therapy for Both Operable and Inoperable T1N0M0 Non-Small Cell Lung Cancer: Japan Clinical Oncology Group Study JCOG0403. (2015)
  • 著者名/発表者名: Etsuo Kunieda, Nagata, Yasushi Hiraoka, Masahiro Shibata, Taro Onishi, Hiroshi Kokubo, Masaki Karasawa, Katsuyuki Shioyama, Yoshiyuki Onimaru, Rikiya Kozuka, Takuyo Saito, Tsutomu Nakagawa, Keiichi Hareyama, Masato Takai, Yoshihiro Hayakawa, Kazushige Mitsuhashi, Norio Ishikura, Satoshi
  • 雑誌名: Int J Radiat Oncol Biol Phys. 巻: 93 ページ: 989-96
  • DOI: 10.1016/j.ijrobp.2015.07.2278
  • 査読あり
• [雑誌論文] 薬物による放射線有害事象の修飾 (2015)
  • 著者名/発表者名: 北原 規, 國枝 悦夫
  • 雑誌名: 乳癌の臨床 巻: 30 ページ: 521-527
• [雑誌論文] Stereotactic Radiosurgery With or Without Whole-Brain Radiotherapy for Brain Metastases: Secondary Analysis of the JROSG 99-1 Randomized Clinical Trial. (2015)
  • 著者名/発表者名: Aoyama, Hidefumi, Tago, Masao Shirato, Hiroki Kato, Norio Iuchi, Toshihiko Nakagawa, Keiichi Toyoda, Tatsuya Hatano, Kazuo Kenjyo, Masahiro Oya, Natsuo Hirota, Saeko Shioura, Hiroki Inomata, Taisuke Hayakawa, Kazushige Akazawa, Kohei Mehta, Minesh P Hirota, Etsuo Kunieda
  • 雑誌名: JAMA Oncol. 巻: 1 ページ: 457-64
  • DOI: 10.1001/jamaoncol.2015.1145
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Influence of liver toxicities on prognosis after stereotactic body radiation therapy for hepatocellular carcinoma (2015)
  • 著者名/発表者名: Sanuki, Naoko, Takeda, Atsuya Oku, Yohei Eriguchi, Takahisa Nishimura, Shuichi Aoki, Yosuke Etsuo Kunieda
  • 雑誌名: Hepatol Res. 巻: 45 ページ: 540-7
  • DOI: 10.1111/hepr.12383
  • 査読あり
• [学会発表] 前立腺癌IMRTの線量増加における成績の検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 福澤 毅 秋庭 健志 小松 哲也 長尾 隆太 小林 俊昭 広木 智之 北原 規 國枝 悦夫
  • 学会等名: 第29回高精度放射線外部照射部会学術大会
  • 発表場所: 一橋大学 一橋講堂 千代田区,東京
  • 年月日: 2016-02-27 – 2016-02-27
• [学会発表] Safety Evaluation of Irradiation for Post Mastectomy Patients with Tissue Expander (2015)
  • 著者名/発表者名: Toshiaki Kobayashi Tadashi Kitahara Tsuyoshi Fukuzawa Takeshi Akiba Tetsuya Komatsu Ryuta Nagao Etsuo Kunieda
  • 学会等名: 日本放射線腫瘍学会第28回学術大会
  • 発表場所: ベイシア文化ホール 前橋市,群馬県
  • 年月日: 2015-11-19 – 2015-11-21
• [学会発表] Characteristics of complete remission cases in advanced non-small cell lung cancer (2015)
  • 著者名/発表者名: Takuya Aoki Kazuki Harada Jun Tanaka Masako Sato Yukihiro Horio Hiroto Takiguchi Hiromi Tomomatsu Katsuyoshi Tomomatsu Takahisa Takihara Kyoko Niimi Naoki Hayama Tsuyoshi Oguma Takeshi Akiba Tetsuya Komatsu Tomoki Nakagawa Ryota Masuda Hiroshi Kajiwara Etsuo Kunieda
  • 学会等名: 16th World Conference on Lung Cancer
  • 発表場所: Colorado Convention Center,Denver, Colorado, USA
  • 年月日: 2015-09-06 – 2015-09-09
  • 国際学会