本研究では粒子線の飛跡構造(トラック構造)と生物効果の関係を明らかにすることを試み、 バイオマーカーを用いて生物学的トラック構造を可視化し、放射線誘発フリーラジカルの影響等を含めた粒子線トラック構造とその生物効果に関する知見を取得した。照射30分後では粒子線のLETが増加してもトラックサイズ(面積)の変化は見られなかったが、照射24時間後では高LET粒子線によるトラックサイズが他の低LET粒子線よりも大きいことがわかった。さらにOHラジカル捕捉剤(DMSO)を照射1時間前に処理し、照射後にトラックサイズを定量すると、トラックサイズが小さくなる傾向を示した。
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