放射線によるがん治療において患者に投与される水吸収線量は、病院において空気式の電離箱を使って測定される。しかし、空気と水との違いが大きいため正確な線量の決定が難しい。この困難さを克服するため、水に近い材料で電離箱の吸収体になりえる絶縁材を実験的に調べた。そして、可能性のある材料で指頭型と平行平板型の電離箱を試作した。電離箱に放射線を当てて出力を測定しているが、いまだ出力は得られていない。現状では出力が得られない原因を探っている状態あり、これに平行して、電離箱の電極間距離を小さくし、印加電圧をさらに大きくすることで、電荷収集のための電界をさらに強くできるように改良を試みている。
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