研究課題/領域番号 |
26461904
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
七戸 俊明 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70374353)
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研究分担者 |
倉島 庸 北海道大学, 大学病院, 助教 (40374350)
平野 聡 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50322813)
海老原 裕磨 北海道大学, 大学病院, 助教 (50632981)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サージカルトレーニング / cadaver training |
研究実績の概要 |
高度な外科手術の安全な実施には、十分な解剖学的知識と手術を確実に遂行し得る技術が必要である。手術治療の安全性に対する社会的な要求は高いが、高難易度手術の実施や新規の術式の導入に際して、術前にサージカルトレーニングや手術シミュレーションを実施するかどうかは医師個人やそれぞれの施設の判断に任されているのが現状である。遺体を用いた手術手技トレーニング(cadaver training)は、海外では教育手法としての有用性が示されているが、我が国では平成24年に「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」が公表されるまでは実施基準が無かったために、広く普及するには至っていない。本研究は食道癌などの高度な技術を要する手術に対する遺体を使用した手術修練カリキュラムの構築を通して、安全な医療の普及を目指すものである。研究の実施のためには、死体解剖保存法、献体法並びに、「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」に従ってカリキュラムを実施する必要があるが、北海道大学では実施実績はなく、遺体使用を可能とするための準備が現在進行中である。実施のための現在の進捗状況は、H27度中に実施可能な体制を確立すべく、医学研究科、北大病院の関係各科、解剖学教室、白菊会担当の事務部門と卒後臨床研究担当の事務部門での実施委員会が設立されたところである。H26年度は鉗子等手術機器の購入を行い、実施環境の整備と研究カリキュラムの実施に向けたシミュレーションを動物実験施設で豚を用いて行った。また、cadaver trainingで先行する札幌医科大学への施設見学を実施し、本研究の準備を進めた。H27年度は、学内の実施体制の確立(遺体の受け入れ態勢の確立、施設の整備、臨床各科の調整、利益相反関係の開示等)を進めるとともに、本研究に対する倫理委員会での承認後に、引き続きパイロットスタディーの開始を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度の研究実施計画どおり、解剖学教室と学内の臨床系各科が連携し、cadaver trainingの実施に向けた体制が構築された。
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今後の研究の推進方策 |
年次目標を予定通りクリアーしており、H27年度以降の研究計画に変更はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算書には旅費の計上があったが、昨年度は視察を実施することがなかったため、支出がなく次年度に繰り越した。また、現在は本格的な実施に向けた準備段階であることから、必要最小限の物品類のみ購入し、次年度の本格導入時に追加購入することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
研究期間全体での、使用計画の変更はない。H27年度に、当初より購入予定の物品、機器等を購入し、H26年度に実施予定であった視察を実施する。
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