研究課題
研究開始当初、本学には献体を用いた手術手技修練(カダバートレーニング)の実施実績はなかったが、本研究を契機に学内での実施体制を整備した。「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」を遵守し、カダバートレーニングを実施するために、申請者らが中心となり、北海道大学病院CAST(Cadaveric Anatomy and Surgical Training; 遺体を使用した外科解剖・手術手技研修)実施運営委員会を立ち上げた。本研究の当初の計画では、消化器外科領域の内視鏡外科手術に焦点を絞った研究を予定していたが、本学初となるシール法による固定遺体を用いたカダバートレーニングとなるため、倫理委員会の勧告により、外傷手術、脳外科、泌尿器科、整形外科など多領域での検討に研究内容が展開することとなった。これにより、当初の研究計画よりも約1年の遅を生じたが、2016年9月からカダバートレーニングが実施可能となり、7体の献体を使用して7診療科が19回のカダバートレーニングを実施し、123人の医師が参加した。これにより各領域におけるカダバートレーニングの有用性も評価することが出来た。申請者らの専門領域である消化器外科手術においては、内視鏡手術に対するシール法献体の有用性を上部消化管領域、肝胆膵領域、並びに救急外科領域において検証し、腹腔鏡下膵切除術の術式検討も実施した。また、当初の研究計画である胸腔鏡下食道切除術に対する教育プログラムの有用性の検討として、新たに作成した手術手技の詳細を記したテキストブックと評価表を用いたカリキュラムによるパイロットスタディーが2回実施され、プログラムの有用性が検証された。これらの研究は2017年3月まで実施されたため、教育プログラムを受講した外科医の実際の手術における技術向上に対する有効性の評価は、2017年度中に実施し公表することとなった。
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