研究課題/領域番号 |
26461907
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
増田 雄一 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (60467149)
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研究分担者 |
三田 篤義 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60419398)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵島 / Nrf2 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
本研究の遂行において最も不可欠であるラットからの膵島分離については、既存の実験施設を使用し、特に問題なく施行可能であった。膵島の収量は1,200islet equivalent/rat程度であった。膵島のviability評価に関しても、酵素(accutase)を用いて膵島をsingle ceilとし、7-aminoactinomycin D、tetramethylrhodamine ethyl ester、newport greenにて染色し、既存の実験施設・フローサイトメータにより評価可能であった。これにより本研究における使用薬剤であるdimethly fumarateの濃度設定を行い、また培養時間についても決定した。フローサイトメーターによるvaibilty評価では、dimethyl fumarateを使用することにより、凍結保存・解凍後の膵島において、同薬剤を使用しないサンプルに比較し、viabiltyが有意に良好に保たれることが確認された。またNrf2-Keap1経路による抗酸化ストレス遺伝子の発現上昇が示唆された。これら実験結果から、冷凍保存し解凍された膵島のviabilty保持におけるdimethy fumarateの有用性が確認された。In vitroでの有用性が確認されたことより、研究計画書における平成27年度実験計画である1型糖尿病モデルマウスへの膵島移植実験に移行し、糖尿病からの回復率について検討できうるものと考える。 本研究における、もう一つの重要な要素であるプログラムフリーザー「Cell Alive System(CAS)」の使用については、同フリーザーを(株)アビー社より平成26年10月に購入し、現在使用条件設定検討を行っている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画書に記載した以下の点について、本研究の達成度が遅れていると考えられる。 Nrf2活性化に伴う遺伝子発現の検討について、リアルタイムPCR法による検討は行われたが、ウエスタンブロット法による抗酸化ストレス酵素の発現量の検討には至っていない。蛍光顕微鏡を用いた、α/β細胞数・比率の検討について、実験が行われていないが、凍結保存・解凍条件設定がされつつあり、本検討については遂行可能と考えられる。グルコース刺激インスリン分泌能の測定についても、冷凍保存・解凍条件が決まり次第行う予定としていたため、実験計画より予定が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の遂行は前述の点においてやや遅れていると考えられた。しかしながら、前述の問題点については、薬物濃度・時間等の設定条件が決定された上でサンプルの採取が行われれば、遂行可能であると思われる。 従って、平成27年度においては研究計画書のとおり、4-9月においてはラット膵島をヌードマウス腎皮膜下へ移植し、糖尿病からの回復率を検討することを中心に行う予定である。それとともに、平成26年度計画で遅れている実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだ額よりも、安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は平成27年度に消耗品費を合わせて使用する。
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