研究課題/領域番号 |
26461907
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
増田 雄一 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (60467149)
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研究分担者 |
三田 篤義 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60419398)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵島 / Nrf2経路 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
前年度に引き続きラット、ブタ膵島分離を行った。機能的解析としてグルコース刺激インスリン分泌試験を行った。ラット膵島で凍結後解凍したサンプルおいては、dimethyl fumarate添加・非添加群でインスリン分泌能に有意差を認めなかった。ブタ膵島においては、dimethyl fumarate添加・非添加群でのmRNAの発現の差異を検討するためのサンプルを抽出し、抗酸化ストレス遺伝子発現の差異を現在検討中である。ブタ膵島でのグルコース刺激インスリン分泌試験では有意差が認められた。ブタ膵島を用い、マウス腎被膜下への移植実験を行い、2000IEQ程度の移植膵島がストレプトゾトシン誘導糖尿病モデルマウスの治療に必要であると考えられた。同時に糖尿病モデルマウスへの経門脈移植モデルの作成を行い、長期(3か月以上)血糖正常化を得ている。 最終年度の目標であったヒト膵島を用いた実験については、ヒト膵島をアルバータ大学より提供いただく準備が整い、平成28年度の実験計画に支障はないと思われる。 Cell Alive System冷凍機器の利用については、適切な凍結プロトコールの作成に難渋している。Dimethyl fumarateの使用による膵島保護効果が同機器を上回っており、dimethyl fumarate使用による実験を優先している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
グルコース刺激インスリン分泌試験での有意差が認められず、ラット膵島のマウスへの移植が遅れている。これについては、抗酸化ストレス遺伝子群の発現は上昇していることは確認されているため、今後積極的に進めていく予定である。 ブタ膵島移植において、dimethyl fumarate非添加サンプルでの移植は行われたが、dimethyl fumarateを添加した状況での移植は行われなかった。理由としては、ブタ膵島を得られる機会自体が少なく、さらに得られた時にも移植実験に使用できる収量がなかったことがあったためと考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
膵島冷凍保存時にdimethyl fumarateを用いることにより、膵島保護効果が得られることは確認できた。平成28年度はヒト膵島検体が移植実験、その他に使用できる状況となったため、ヒト膵島を用いて、dimethyl fumarateの効果を検討する。最終年度であるため、同時に研究成果の発表・論文化に向けてヒト膵島の実験データの検討、およびラット実験追加データも収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだ額よりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は平成28年度請求額と合わせて消耗品費として使用する。
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