肝細胞癌(HCC)の発生には背景肝の炎症が強く関係する。炎症にはインフラマソームと呼ばれる分子複合体が関与しており、その構成分子であるNLRP3、NLRC4およびAIM2の遺伝子発現は背景肝でHCCおよび肝炎のない肝組織より有意に高かった。また、NLRP3、NLRC4およびCASP1の各高値群は低値群より全生存期間が有意に不良であった。多変量解析で全生存期間の独立したリスク因子の一つとして背景肝のNLRP3発現中央値以上が抽出された。 本研究結果からインフラマソーム構成分子はHCC早期発見マーカーおよび予後予測マーカーとなる可能性が示唆された。
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