研究課題/領域番号 |
26461912
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
坂本 和彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50420526)
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研究分担者 |
岡山 直子 山口大学, 医学部附属病院, 副臨床・衛生検査技師長 (40420541)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サイトカイン / 遺伝子多型 / 抗癌剤 / 副作用予測 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は抗癌剤である5‐フルオロウラシル(5FU)とシスプラチン(CDDP)を用いた化学療法時の副作用に対してサイトカイン遺伝子多型を用いた予測システムを構築しテーラーメード化した抗癌剤治療の開発を目的とする。 これまでに食道癌を中心に抗癌剤治療を受けた200例の患者から同意を得ることができた。患者の状態(年齢、性別、原疾患名、癌進行度など)、使用した抗癌剤(5FU, CDDPなど)、放射線治療併用の有無、化学療法による副作用(貧血、白血球減少、血小板減少、口内炎、下痢など)、その程度(Grade 0-4:有害事象)を可能な限り収集、記録した。また患者から採血、遺伝子を採取し前炎症性サイトカインであるIL-1β・TNFα、IL-1の受容体に拮抗するIL-1RA、炎症性サイトカインであるIL-6、抗炎症性サイトカインであるIL-10、抗腫瘍性サイトカインであるIL-18、マクロファージ遊走阻止因子であるMIF(macrophage migration inhibitory factor)の7種類のサイトカインのプロモーター領域の遺伝子多型を対立遺伝子特異的PCR法(ARMS-PCR法)で解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標であった消化器癌に対する化学療法を受ける患者200例の集積は終了した。7種類のサイトカイン遺伝子多型(IL-1β、TNFα、IL-1RA、IL-6、IL-10、IL-18、MIF)を測定、臨床病理学的データを収集、副作用の出現頻度・副作用の程度(Grade)のデータ収集も終了した。集めた遺伝子多型データ、臨床検査データを用いて、各種の副作用出現に関連する危険因子を統計学的に解析した。Prospective studyのための症例をさらに集積中である。
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今後の研究の推進方策 |
解析した各種の副作用出現に関連する危険因子について論文作成する。工学部との共同作業で、測定した複数の臨床病理学的因子、遺伝子多型の組み合わせにより各種副作用がどのくらいの確率で発症するのかを計算する予測システムを開発する。さらに集積した症例のデータを用いて、開発した予測システムを用いてprospective studyを行いシステムの感度、特異度を検証する。企業(東洋鋼鈑)との共同研究により安価な「遺伝子多型測定チップ」の開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
Prospective studyのために集積している症例数が多数であり、遺伝子多型の解析のために必要な費用が繰越す予定の次年度使用額では不十分のため平成28年度に回すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額と平成28度助成金を用いて、Prospective studyのために集積している症例の遺伝子多型の測定をまとめて行う。
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