研究課題/領域番号 |
26461913
|
研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所) |
研究代表者 |
森 大樹 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, その他 (70448330)
|
研究分担者 |
石橋 広樹 徳島大学, 大学病院, 講師 (20314867)
森根 裕二 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60398021)
居村 暁 徳島大学, 大学病院, 特任教授 (90380021)
親泊 政一 徳島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90502534)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 分子標的薬 / Bevacizumab / 大量肝切除 / 肝再生 / 小胞体ストレス応答 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】 Bevacizumab(Bev)投与後肝切除術の創傷治癒(肝再生・虚血再灌流傷害制御)は非常に重要な問題である。近年、小胞体ストレスが重傷熱傷後の肝不全と関係し、肝細胞アポトーシスを引き起こすことが知られている。しかし、Bev投与後大量肝切除術の創傷治癒に与える影響、虚血再灌流傷害の小胞体ストレス応答に関しての検討はない。 【研究実績】 平成26年度:90%大量肝切除術後肝不全モデルにおけるBev投与後の影響と小胞体ストレス応答の関与について検討する。 大量肝切除術後肝不全に対するBev投与後の影響の確認:正常ラットとBev術前投与ラットにそれぞれ90%大量肝切除を行い、術後肝再生における経時的変化の程度による違いについてBev投与の有無で比較検討したところ、血液生化学検査については、正常ラットと比較してBev術前投与ラットで有意に術後肝機能上昇の軽減を認めた(GOT:4994.9±1430.8 IU/L vs 3427.9±1225.7 IU/L, P<0.05、GPT:2287.1±890.9 IU/L vs 1471.4±351.4 IU/L, P<0.05、T-BIL:2.57±0.86 mg/dl vs 1.94±0.51 mg/dl, P=0.11、LDH:5351.2±2125.0 IU/L vs 3229.1±2173.5 IU/L, P=0.07、ヒアルロン酸:7862.2±5070.7 ng/ml vs 3865.7±2120.0 ng/ml, P=0.07)。肝再生率については、正常ラットと比較してBev術前投与ラットで有意に増加を認めた(0.672±0.131 vs 0.798±0.054, P<0.05)。術後生存率については、正常ラットと比較してBev術前投与ラットで生存率の改善傾向を認めた(83% vs 50%, P=0.09)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究実施計画では、大量肝切除術後肝不全・肝切除術後肝再生に対するBev投与後の影響について検討することであり、大量肝切除術後肝不全モデルにおいてのそれらの検討は順調に進んでおり、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
1. 90%大量肝切除術後肝不全モデルにおけるBev投与に対する小胞体ストレス応答の関与の確認:正常ラットとBev術前投与ラットにそれぞれ90%大量肝切除を行い、術後肝再生における小胞体ストレス応答の役割について、経時的に検討する予定である。 2. 70%大量肝切除術後肝再生モデルにおけるBev投与後の影響と小胞体ストレス応答の関与の確認:正常ラットとBev術前投与ラットにそれぞれ70%大量肝切除を行い肝再生における小胞体ストレス応答の役割とともに再生の経時的変化の程度による違いについて検討する予定である。 3. ノックアウトマウスを用いた小胞体ストレス応答の各主要調節器の関与の確認:3種類の小胞体ストレス応答の各主要調節器官ノックアウトマウスを用い、90%大量肝切除術後肝不全モデル、70%大量肝切除術後肝再生モデルそれぞれで、小胞体ストレス応答の各径路の役割とともに再生の経時的変化の程度による違いについて検討する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画書作成時に購入予定であった消耗品の価格変動のため
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度への繰越額は消耗品に使用予定である
|