本研究ではBev投与後の大量肝切除術後の創傷治癒時に与える影響と術後における虚血再灌流傷害時の小胞体ストレス応答の関与を90%肝切除モデルを用いて検討した。Bev投与群で術後1日目の肝機能上昇の軽減、肝再生率の増加、炎症性サイトカインmRNA発現のdown-regulationを認め、肝切除術前の肝内小胞体ストレス応答関連遺伝子mRNA発現のup-regulationを認めた。以上によりBevacizumab投与によるpositiveな肝細胞保護効果のひとつの機序として小胞体ストレス応答の関与が考えられ、Bevacizumabは小胞体ストレス応答を介して肝切除術後肝機能障害の改善が示唆された。
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