研究課題/領域番号 |
26461917
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高槻 光寿 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (80380939)
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研究分担者 |
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
三浦 清徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (00363490)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 羊膜 / 肝細胞 |
研究実績の概要 |
【羊膜採取】 長崎大学病院では既に眼科・視覚科学教室が既に羊膜を冷凍保存し臨床試験に用いており、同科に羊膜採取のプロトコルを御教授していただいた。現在では当科単独で羊膜の採取・保存が可能である。 【ヒト羊膜のラット肝への移植】 採取したヒト羊膜を用いてラットへの移植を試みた。最終的には放射線照射を行い作成した急性肝不全モデルを用いる予定であるが、羊膜の移植手技を安定させるためまず通常の野生型ラットを用いた。凍結保存していた羊膜を解凍し下記の要領でラットに移植し、移植後1・2週間で犠牲死させ標本を作製した。標本はHE染色、及び抗パンサイトケラチン抗体・抗ビメンチン抗体(前者は上皮系、後者は間質系のマーカーであるが羊膜にはいずれも発現している)を用いて免疫組織化学的検討を行い、羊膜の生着の有無を評価した。 ①40%肝切+残肝の割面に羊膜を貼付 肝の中葉を切離し(40%肝切)、残った左葉に割を入れて羊膜を貼付、縫合固定した。標本では肝切離面の線維化が著明で羊膜細胞を確認できなかった。肝切離面では炎症反応の影響が強いため生着を得られないと判断し、以下のモデルを作製した。②70%肝切+上腹部全体に羊膜を広げて留置③70%肝切+羊膜を大網に包埋して固定②・③いずれの方法でも組織学的に羊膜の生着を確認することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
移植したヒト羊膜が組織学的に同定困難であり、羊膜の生着が確認することが困難である。
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今後の研究の推進方策 |
上述の①~③のモデルのうち、肝切離面に貼付した①を除いては腹腔内に炎症細胞の浸潤などの拒絶反応を疑う所見は明らかでなく、羊膜の生着が確認できない理由として拒絶反応の可能性は低いと思われる。 今後は冷凍保存する前の羊膜を用いるなどの方法を検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
別記の通り羊膜の移植モデル作成が難航しており、放射線照射モデルの作製や研究成果の発表(学会活動や論文作成など)が予定より遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果を得られるよう実験で必要となる試薬やラットに使用する。また、研究成果発表の為の旅費や、論文投稿料などに使用する。
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