研究課題/領域番号 |
26461921
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
水口 徹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30347174)
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研究分担者 |
谷水 直樹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00333386)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50136959)
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
石井 雅之 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50643201)
市戸 義久 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80452978)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 幹細胞 / 肝細胞 / 手術 / 腹腔鏡 |
研究実績の概要 |
これまでに肝幹細胞のバンク化を進めていく上で、検体材料から細胞分離と細胞の性質を解析してきた。その過程で、継代可能な肝幹細胞の単離と培養に成功し、現在、特許を出願したところである(特願2016-16210号)。培養基質に工夫を加え、基質Xと基質Yを使用することで、再増殖可能な肝細胞の培養法を開発した。加えて、基質特異的な細胞接着性を発見し、発表の準備を行っている。これらの中心的研究に加えて、副次的研究については公開し、発表してきた。細胞単離のためには脳死ドナーや生体ドナーが考えられる。細胞移植の為に過大な侵襲を宿主に与えることは倫理上許容範囲を逸脱しており、低侵襲な組織採取法の開発が望まれる。細胞採取に際して腹腔鏡を使用した方法は、理想的ではあるが、手術の難易度は高く、術中に起きうる出血などの偶発症に対応しにくい。体外式に肝血流をコントロールする方法を開発し、特許を取得した(特許第5788893号)ので、紙面にて発表した(Mizuguchi T, et al. Surg Laparosc Endosc Percutan Tech 2015;25:e16-20)。従来の開腹手術と腹腔鏡手術の成績を比較することは容易ではなく、倫理的にも質の高い研究は計画しにくい。統計学的に均一な対象を選択するプロペンシティー解析を用いて、手術の短期成績と長期成績に関して明らかにした(Meguro M, Mizuguchi T, et al. Surgery 2015 ;158:573-87)。また、対象患者の年齢によっても手術の成績は異なることが推測されるが、これまでの多くの報告では若年者と高齢者に相違を認めていなかった。そこで、メタ解析を疾患ごとに行い、高齢者に特有な手術リスクを明らかにした(Mizuguchi T, et al. Surg Today 2015;45:259-270)。これに加え、体外式人工肝臓への応用を考慮した胆管再構成の基礎実験に着手し発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
キメラマウスを作成し、現在、解析を行っている。加えて、細胞単離と培養法の開発に成功し、特許の申請を行うところまで終了した。当初の研究計画では予想されなかった成果であり、計画以上と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
キメラマウスの解析を行い、凍結細胞のロット確認を行っていく。特許の申請に加えて、企業への導出を念頭に開発交渉に入りたい。
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