研究課題
本研究は、iPS細胞から直接大量に、癌幹細胞特異的抗原を標的とした細胞傷害性T細胞を作製し、効率的で強力な癌幹細胞に対する癌免疫療法を構築することを目的にして開始した。1.消化管癌幹細胞マーカー発現adenovirus vectorの作製および調整 2.消化管癌幹細胞マーカー発現樹状細胞、消化管癌幹細胞マーカー特異的T細胞、iPS細胞の作製 3.消化管癌幹細胞マーカー-iPS細胞から細胞傷害性T細胞(CTL)の分化誘導 4.iPS細胞由来消化管癌幹細胞マーカー特異的CTLの解析 5.マウスに対するiPS細胞由来消化管癌幹細胞マーカー特異的CTLの抗腫瘍効果に関する検討 6.消化管癌幹細胞マーカー発現ヒトadenovirus vectorの作製および調整 7.健常ヒト自己PBMCからT細胞の誘導とその機能解析 8.消化管癌幹細胞マーカー特異的T細胞からiPS細胞の作製 9.ヒト消化管癌幹細胞マーカー-iPS細胞からCTLの分化誘導 10.ヒトiPS細胞由来消化管癌幹細胞マーカー特異的CTLの機能解析本年度の研究実績は以下の通りである。消化管癌幹細胞マーカー発現adenovirus vectorの作製および調整、iPS細胞からCTLへの誘導に難渋したため、腫瘍抗原遺伝子gp100遺伝子導入iPS樹状細胞ワクチンを作成し、それによる特異的CTLの誘導と誘導されたCTLの解析を行った。さらに、ヒト担癌患者のPBMCよりiPS細胞を樹立した。そのiPS細胞から樹状細胞を分化誘導した。担癌患者のnaiveな樹状細胞は健常人と比較して抗原提示能は劣っているが、担癌患者のiPS細胞由来樹状細胞は健常人と比較して、成熟能、遊走能、抗原提示能全てにおいて同等であることを明らかにした。現在、ヒト腫瘍抗原遺伝子導入iPS細胞由来樹状細胞を用いて特異的CTLの誘導を行っている。
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