研究課題/領域番号 |
26461925
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐久間 康成 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10296105)
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研究分担者 |
三木 厚 自治医科大学, 医学部, 講師 (20570378)
安田 是和 自治医科大学, 医学部, 教授 (40158001)
上本 伸二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252449)
笠原 尚哉 自治医科大学, 医学部, 助教 (50382891)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
藤本 康弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80335281)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 褐色脂肪 / 脂肪肝 / 肥満 / NASH |
研究実績の概要 |
褐色脂肪は熱を生成する脂肪として知られ、カロリー消費に関わっている細胞の一つである。われわれは褐色細胞腫、腫瘍周囲の脂肪組織に褐色脂肪が多く存在することに注目し、褐色細胞腫摘出時に採取した周囲脂肪組織を分離培養した。その結果約30%に褐色脂肪特異的マーカーであるUCP1を強発現していることが確認できた。このヒト由来褐色脂肪細胞による、非アルコール性脂肪肝炎の治療への可能性を模索すべく以下の実験を行ってきた。 高カロリー食NASH・脂肪肝マウスモデルを使用した移植実験。 ヒト由来褐色脂肪細胞の移植実験を行うため、まずNOD-scidマウスに高カロリー食を与え、NASH・脂肪肝になるか検討。(=NASH NOD-scidマウスの安定的作成のみでも価値があるものと考えられる。)NOD-scidマウスに高カロリー食を与えた結果(種々の高脂肪食プロトコールで検討)、NASHには至らなかったが、脂肪肝~「肥満」および「肝細胞質内グリコーゲン貯留」が確認された。元々免疫反応を伴いにくいNOD-Scidでは、従来の通りの食事プロトコールによるNASH・脂肪肝モデルの作成は困難であった。現在新たなプロトコールとして、食事摂取時間を調節するモデル(食事摂取時間を昼夜逆転させる)や、肥満になったNOD-Scidマウスにセカンドヒットとなる因子を与え、NASHに至るモデルが作成できないか再検討中である。モデル作成と同時に、脂肪肝~肥満になったマウスに上記褐色脂肪由来細胞を全身投与した結果、今までの所投与有無での体重変化は確認されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ワイルドタイプのラットやマウスでは、過去のプロトコールにより我々の教室でも問題なくNASHモデルが作成できたが、上述のごとくNOD-Scidマウスは免疫反応を伴いにくく思ったようにNASHモデル作成にいたっていない。
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今後の研究の推進方策 |
①褐色脂肪細胞の投与実験を続けるべく肥満になったNOD-Scidマウスにセカンドヒットとなる因子を与え、NASHに至るモデルが作成できないか再検討する。 ②褐色脂肪細胞は未だ特異的な表面マーカーが存在せずDNAマイクロアレイ解析データから特異性の高い膜抗原の同定を行う。表面マーカの同定により、FACS解析およびMACSにより大量の脂肪細胞分離培養法の検討を行っていく予定ある。②は研究実績には至っていないが、現在進行中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
NOD-Scidマウスを用いたNASHモデル作成が未完成であること。 褐色脂肪細胞のキャラクター解析がいまだ行われていないこと。
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次年度使用額の使用計画 |
①肥満になったNOD-Scidマウスにセカンドヒットとなる因子を与え、NASHに至るモデルを作成する。 ②褐色脂肪細胞のDNAマイクロアレイ解析データから特異性の高い膜抗原の同定を行う。
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