ポリアミン(PA)経口摂取の治療効果を検討するためにラット短腸症モデルを作成した。同モデルにおいて標的組織である残存空腸、回腸、肝臓、全血液で投与PA濃度依存性に含有濃度が増加すること、小腸絨毛高が増高すること、糞便・血清のIgA濃度が食餌PA濃度依存性に増加するという結果が得られた。また、病理組織学的検査の結果から腸管不全関連肝障害を軽減する可能性が示唆された。糞便・血清中のIgAは腸管のバリア機能をよく反映することが知られており、PA経口摂取で残存小腸の機能を賦活化することにより完全経静脈栄養から離脱して致死的な合併症を回避し生存率を改善する可能性がある。
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