生体肝移植後の感染症あるいは拒絶反応の発症は、肝容量が不十分な術後早期において、しばしは致命的な肝機能障害の原因となる。このため、生体肝移植における免疫抑制導入療法は、全肝移植に比べてより厳密な術後管理が要求される。 我々は、タクロリムス、メチルプレドニゾロン、MMFの3剤併用肝移植後免疫抑制導入療法、特により低容量のタクロリムスを用いることにより、合併症の低下を試みた。その結果、拒絶反応の発症率も許容範囲内であり、カルシニューリンインヒビターの副作用である腎機能障害、術後耐糖以上の少ないプロトコールを確立した。
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