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2014 年度 実施状況報告書

癌性胸腹水癌細胞パルス樹状細胞ワクチンのがん幹細胞に対する治療効果増強の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461934
研究機関鳥取大学

研究代表者

辻谷 俊一  鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (30188544)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード樹状細胞
研究実績の概要

東京都の要町病院腹水治療センターの協力のもと、癌性腹水貯留患者に改良型の難治性胸腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART)を行い、濾過フィルターを洗浄して癌性腹水癌細胞を回収した。FACSにて専用ビーズを用い、CD45-EpCAM+細胞を癌細胞として分離した。卵巣癌7例、大腸癌3例、膵癌2例、乳癌2例、胃癌1例、子宮癌1例の計16例の検討では、1回のCARTにより500,000~10,000,000,000個 (中央値6,000,000個)の癌細胞を90%以上の純度で回収した。通常1コース(7回)の樹状細胞ワクチン療法の腫瘍抗原として必要な癌細胞は240,000個であり、今回の検討で治療応用の可能性は高くなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が、平成26年5月1日、鳥取大学に異動したことにより、研究体制の整備に時間を要している。鳥取大学医学部附属病院におけるKM-CARTの実施体制を築くとともに、研究者の確保と実験室の整備を進めており、今後は研究が軌道にのって行くと考えている。

今後の研究の推進方策

癌性服水中から十分な癌細胞が得られることは確認できたので、今後は癌性腹水中の癌細胞をソーティングによりがん幹細胞にあたるCD44+細胞とそれ以外のCD44-細胞の分画に分け、TGF-β、IL-10、VEGF、MICA、PD-L1などの免疫抑制因子の発現をFACSにて解析し、CD44+がん幹細胞の免疫抑制能をCD44-細胞と比較して明らかにする。また、CD44+がん幹細胞によるCTL誘導をCD44-細胞と比較し、抗腫瘍効果への影響を検討する。鳥取大学医学部附属病院でもKM-CARTを用いた癌性腹水の治療をできるように整備したので、今後は当院で癌性腹水患者の治療を推進し、腹水中のがん幹細胞の特性を調べていくことが可能である。胃癌の癌性腹水症例を月2例程度KM-CARTで治療し、そこで得られた腹水中の癌細胞を調べるとともに、最近保険適応となった血管新生阻害薬を用いた治療により、腹水中癌細胞の特性がどのように変化するかも検討していく。

次年度使用額が生じた理由

鳥取大学への異動により、実験の実施が一時的に困難となった。要町病院から検体を搬送するための打合せを行い、鳥取大学で実験を開始する研究者の技術取得のために研究再開までに時間を要した。

次年度使用額の使用計画

実験の再開により、今後は順調に研究が進行すると考えられ、平成26年度中に実施予定であった癌性服水中のサイトカインプロファイルの検討や、CD44+細胞、CD44-細胞の分離を行って、腹水中のがん幹細胞の特性を明らかにするとともに、lysateからのDCワクチンの誘導を行って、研究の進捗を促進する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Prognostic factors related to add-on dendritic cell vaccines on patients with inoperable pancreatic cancer receiving chemotherapy: a multicenter analysis.2014

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi M, Shimodaira S, Nagai K, Ogasawara M, Takahashi H, Abe H, Tanii M, Okamoto M, Tsujitani S, Yusa S, Ishidao T, Kishimoto J, Shibamoto Y, Nagaya M, Yonemitsu Y; DC Vaccine Study Group at the Japan Society of Innovative Cell Therapy (J-SICT)
    • 雑誌名

      Cancer Immunol Immunother

      巻: 63 ページ: 797-806

    • DOI

      10.1007/s00262-014-1554-7

    • 査読あり
  • [学会発表] Active palliation and new treatment strategy for malignant ascites using KM-CART2014

    • 著者名/発表者名
      Matsusaki K, Yoshizawa A, Tsujitani S, Ohta K
    • 学会等名
      European Society of Medical Oncology (ESMO) 2014
    • 発表場所
      Madrid, Spain
    • 年月日
      2014-09-26 – 2014-09-30

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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